ライバルとしての意見は「リーグ全体にとって厄介」
サンダーにポール・ジョージが加入したことは、まさに青天の霹靂だった。
契約を1年残すペイサーズに対し、来年に移籍する意思を伝えたジョージがトレードされるのは既定路線だったものの、その行き先がサンダーになると予想する声は少なかった。しかし、『ミスター・トリプル・ダブル』のワンマンチームだったサンダーに、攻守揃ったジョージが加わったことで、サンダーは西カンファレンスの強豪に再び返り咲く準備を整えた。
このデュオ、そしてビッグマンのスティーブン・アダムズによるビッグ3を楽しみにしていると話したのは、ウォリアーズのケビン・デュラントだ。昨シーズンからライバルチームの一員となったデュラントは、『The Athletic』のインタビューで、来シーズンはウォリアーズを含め、リーグ全体がサンダー相手に苦戦すると予想した。
デュラントは「ラスにPG、それにスティーブン・アダムズがサンダーのビッグ3だ。互いに上手くやれれば素晴らしいチームになるよ。僕はバスケットボールファンだからね」と話した。「どうなるかは分かるよ。本当に素晴らしいペアになるはずさ。僕たちにとっては厄介な存在になる。ただ、バスケットボールファンの立場として言わせてもらうなら、彼らがどういうプレーを見せるか楽しみだよ」
デュラントは昨年、ジョージを「お気に入りの選手」と評したこともあった。実は2人には、選手としての共通点も多い。上背があり、攻守に優れ、スモールフォワードでもパワーフォワードでもプレーが可能で、得点能力に秀でている。そのせいか、ジョージはウェストブルックとコンビを組んでいたデュラントの代わりとしては理想的とも言われている。
ミッドレンジ、3ポイントシュート、キャッチ&シュートにも優れるジョージが加わったことで、ウェストブルックの圧倒的な打開力と得点能力がより生きるはず。そして、昨シーズンはほぼ休みなくプレーし続けたウェストブルックの体力を温存しながら戦うことも可能となった。
昨夏デュラントが退団したことで、結果的にオールラウンダーとしてチームを引っ張らなければいけなくなったウェストブルックは、昨シーズンその潜在能力を存分に発揮し、前人未到の年間42回の『トリプル・ダブル』、史上2人目の『平均トリプル・ダブル』(31.6得点、10.7リバウンド、10.4アシスト)を達成し、キャリア初のシーズンMVPにも輝いた。総合的にレベルアップしたウェストブルックと、バランス型オールラウンダーのジョージが手を組み、2人をペイント内の番人アダムズがサポートする。
デュラントではなくとも、サンダーが公式戦でどういうプレーを見せてくれるのか楽しみでならない。