アルバルク東京

MVPのカーク「MVPを取るに値する選手がたくさんいる」

アジアチャンピオンズカップで優勝を果たしたアルバルク東京が帰国した。

初出場となった昨年の大会では準優勝に終わった。指揮官のルカ・パヴィチェヴィッチは優勝できた理由に『成熟度』を挙げた。「去年も優勝に近い成績を挙げたが、成熟しきれていなかった。1年間戦ってきたことで、チームとしての成熟度が増した。これが去年との違いだ」

ルカコーチが言う成熟度の上昇は大会期間中にも見られた。決勝で戦ったアル・リヤディには、グループリーグで一度敗れていたが、試合を重ねてチームの連携が高まったことで、決勝では98-74と圧勝した。

ともにチーム最多となる平均17.6得点9.8リバウンドを記録したアレックス・カークは大会MVPを受賞した。「去年も取りたい賞だったけど、決勝で負けてしまった。心の傷として残っていたから、取れてうれしいよ」と笑みを見せた。

大黒柱として、チームを優勝に導く素晴らしいパフォーマンスを見せたカークだが、この大会で平均13.8得点を挙げた小島元基の名前を出し、チームでの受賞であることを強調した。「僕らのチームにはMVPを取るに値する選手がたくさんいる。小島も活躍したし、彼らがいてこそこういう結果になったと思っているよ」

田中大貴

「良いプレーをしないといけない危機感の方が強い」

この大会で全試合に先発出場した田中大貴は、平均9.2得点4.2アシストを記録。さらには大会ベスト5にも選ばれた。

田中はこの大会について「代表組は長くチームから離れていて、同じバスケットで代表とはスタイルが違うので、自分たちがアルバルクのモードに戻すことは簡単じゃなかったです」と苦労を明かす。

それでも大会の後半になるとA東京は立ち上がりから激しいディフェンスを行うことで試合の主導権を握り、試合に出ている全員がバランスよく得点を稼ぐことで1試合1試合戦っていた。

田中も、大会を通してのチームの成長についてこう話す。「試合を重ねるごとに感覚も戻っていくというか、徐々に良くなっていた部分はあります。だけど、自分たち代表組はまだまだ求められている質のバスケットができていない。この大会に関しては、チームに残ってずっとやっていたメンバーがすごく引っ張って、結果を出してくれました」

田中が言うように、この大会では小島や須田侑太郎が3ポイントシュートを確率良く決め、そしてドライブでもアグレッシブに攻めることでチームに勢いを与えた場面は多かった。

そして田中はチームにフィットするという点については「早く自分たち代表組がもっとこっちのモードに戻して良いプレーをしないといけないという危機感の方が強いです」と、優勝してもなお課題を語った。

慣れない国際大会に過密日程が重なり、チームの誰にとってもタフな大会となったが、タイトルとともに自信をつけて帰国することができた。アジアの強豪を相手にチームケミストリーを構築し、課題を見つけては修正してきたこの遠征の成果は、間もなく始まるBリーグのレギュラーシーズンできっと出るに違いない。