秋田ノーザンハピネッツ

秋田自慢のプレスディフェンスに北海道が真っ向勝負

アーリーカップ東北の決勝戦は、B1東地区同士の秋田ノーザンハピネッツvsレバンガ北海道の試合となった。

激しいプレッシャーディフェンスを持ち味とする秋田に対し、北海道も同じく強度の高いディフェンスで対抗。ともに相手のディフェンスを崩せずに良いチャンスを作ることができない、得点の動きは重いがコート上でバチバチにぶつかり合うディフェンス合戦となった。良いシュートがないわけではないが、どちらかが一気に流れをつかむような緩みがなく試合は進む。

最終クォーターに入った時点で北海道47-46秋田。ここから秋田が一度は流れをつかむ。野本建吾がディフェンスの間を割って入る強気のアタックでチームに勢いを与え、カディーム・コールビーがスティールから速攻に繋げて逆転に成功。ここからディフェンスの強度をもう一段階上げて試合を締めにかかるが、北海道もここで踏ん張る。

北海道は土曜に山形ワイヴァンズ、日曜にホストチームの仙台89ERSと対戦し、これで3連戦。対する秋田は土曜に試合が組まれておらず、スタミナ勝負になったら分があったはず。それでも北海道は秋田に負けないディフェンスの強度を保ち続ける。残り2分を切って57-57、ここでビッグプレーを決めたのは北海道だった。橋本竜馬と多嶋朝飛が動き回りながらパス交換をしてノーマークを作り出し、多嶋が3ポイントシュートを沈めて抜け出した。

ところが、この直後に市岡ショーンが5つ目の個人ファウルをコールされる。接触に対して厳しすぎる判定ではあったが、これでディフェンスを支えていた市岡が退場し、さらにはチームファウルも5つに到達。ここからもキーナン、マーク・トラソリーニがタフショットを強引にねじ込む以外は、フリースローでしか得点の入らない一進一退の攻防が続く。

秋田ノーザンハピネッツ

キーナン「個人よりもチームのパフォーマンス」

大混戦の決着は、やはりフリースローだった。1点ビハインドから残り26秒で秋田のポゼッション。3ポイントシュートを狙った細谷将司にチェックに飛び込んだ橋本竜馬の手がかかる。重圧が掛かる場面だったが細谷はこのフリースロー3本をすべて決めて勝負あり。

最終的には67-64で秋田が2年ぶりにアーリーカップでの優勝を果たした。北海道のマーキース・カミングスと並ぶゲームハイの22得点、そのうち16点を後半に決めて接戦の中で違いを出したキーナンは「個人よりもチームのパフォーマンスが良かった。開幕に向けてチームのケミストリーを高めていて、そこが上手くできた」と、チーム一丸の勝利であることを強調する。

一方の北海道にとっては、戦いきっただけに勝ちたかった試合。最後はファウルアウトとなった橋本は「勝負どころでのミスで勝ち切れなかった」と悔しがるも、「大会を通してチームが良くなってきている実感は得られたので、もう一度、自分たちがどこを目指し、どこにいきたいかを再確認して、コミュニケーションをとって、チーム力を向上していきたい」とシーズン開幕までにもう一度チーム力を高めることを誓った。

典型的なディフェンス合戦で、両チームとも3ポイントシュートに当たりが来ないロースコアゲーム。秋田にとっては自分たちのスタイルを貫き、チームワークと精神力で東地区のライバルに勝ち切ったことは、開幕に向けて一つ弾みになるに違いない。

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