竹内譲次

若手から刺激を受け、30代になってさらに成長

21年ぶりにバスケワールドカップへの出場を自力でつかんだ日本代表。八村塁や渡邊雄太といったアメリカで活躍する若手に影響を受けて成長を遂げているのが竹内譲次だ。

若い頃から日本代表に選出され、今でこそ日本のバスケット界は八村のNBA入りやワールドカップ出場で注目を浴びているが、竹内は2006年の自国開催となった世界選手権など、長らく低迷していた男子日本バスケ界を知る選手である。

世間の注目は八村、渡邊、ニック・ファジーカスの『ビッグ3』に集まるが、ビッグマンの八村とファジーカスのいずれかがベンチに下がる際には竹内が日本のインサイドを支える。

アルバルク東京ではBリーグ2連覇に貢献。外国籍選手を相手にする消耗の激しいポジションで毎試合奮闘し、34歳になっても衰えは感じさせない。その原動力となっているのは、急成長する日本バスケに取り残されるのではなく、引っ張る側に回ろうとする意欲だ。最も刺激を受けるのは八村の存在である。「どうやったら自分は対抗でき、成長できるのか。自分も負けじともっと成長していきたい」と刺激を受けながら日々練習に励んでいる。

長らく日本のトッププレーヤーとして君臨していた竹内だが、その気概がなければ若手に取って代わられる。しかし、最近の竹内はこれまで以上にアグレッシブにリングに向かっていく。先日行われたニュージーランドとの国際強化試合では「ニュージーランドのベテラン選手が頑張っている姿に、自分も頑張らないといけない」と刺激を受けた。

長らく日本代表のインサイドを支えてきた竹内だが、本人は「結果を出してきたわけではないので、背負ってきたという意識はない」と言う。それでも結果が出なくてもあきらめずに戦ってきた選手がいたからこそ、今の躍進に繋がっている。34歳となっても成長を続けている姿は後輩にとっても良いお手本となり、精神的な面でもチームに与える影響は大きい。

ワールドカップ本番、苦しい時代を知っている竹内が日本バスケの新時代を切り開く。