ポールがチームを離れた今、クリッパーズのエースに
クリス・ポールの求めに応じる形でロケッツへのトレードを成立させたクリッパーズ。ポールに続いてもう一人の大黒柱、ブレイク・グリフィンも退団するのではないかと噂されたが、最悪の事態を回避することに成功した。
クリッパーズとの契約最終年の破棄してフリーエージェントになったグリフィンは、クリッパーズと5年1億7500万ドル(約196億円)の契約に合意した。
これにより、クリッパーズは今後グリフィン中心のチーム作りに着手することになる。グリフィンは、オールラウンドに優れた選手として評価されているものの、ケガが多く、直近2シーズンでわずか96試合にしか出場していない。これからはチームを支える存在として、シーズンを通じてのフル稼働が求められる。
クリッパーズにとって最重要補強ポイントは、ポールが抜けた先発ポイントガード。ポールの控えを務めてきたオースティン・リバースも毎シーズン成長しているが、スタメンの重役を託すには少々物足りない感は否めない。オフにフリーエージェントになった大物ポイントガードと言えば、ラプターズとの契約最終年を破棄したカイル・ラウリーだが、その動向は未定。
となると、誰にゲームメークを託すのかが気になるところだが、ブルズから解雇されたラジョン・ロンドが有力候補ではないだろうか。
2008年にセルティックスの優勝に貢献したロンドも31歳になった。マーベリックス、キングス、そしてブルズで以前ほどの存在感を出せずにいるが、その背景には常にヘッドコーチとの不和があった。それだけにセルティックス時代の恩師ドック・リバースと組むことになれば、ロンドのキャリアを再び上向きに変えられるかもしれない。
その類稀なゲームメーク力は健在で、キングスに所属した2015-16シーズンには平均11.7アシストを記録し、キャリア2回目アシスト王に輝いた。
グリフィンとデアンドレ・ジョーダンの強力フロントコートを生かす司令塔の獲得は急務だが、同時にグリフィンの独り立ちも重要だ。ポールが去った今、来シーズンからは、グリフィンが絶対的なエースとして精神的に成熟し、勝負を決める役割を担わなければならない。