
「僕を突き動かす『競争心』は試合でしか満たせない」
2014年に加入したジャズで8シーズンを過ごし、ディフェンスと3ポイントシュートを武器とする『3&D』として一時代を築いたジョー・イングルスが、NBAキャリアを12年で終える決断を下した。
NBAキャリア8年目の2022年に左膝前十字靭帯を断裂し、このオフにジャズが再建に突入したことも重なってジャズを離れ、バックスとマジックでプレーするも、膝の大ケガは彼の動きからキレを奪っていた。ティンバーウルブズで過ごしたこの2シーズンは若い選手にアドバイスを送るベテランの役割に徹し、出場機会はほとんどなかった。
そして彼は、残された現役生活を母国オーストラリアで過ごすことを決め、NBLのメルボルン・ユナイテッドと契約を結んだ。ジャズに入る前もヨーロッパで5シーズンを過ごしていた彼にとって、NBL復帰は2009年以来となる。
イングルスは『ESPN Australia』に対し、母国復帰をこう説明している。「ウルブズでは試合に出られない役割だったけど、それを受け入れたのは自分だし、周囲と非常に良い関係を築いていたので、不満は全くなかった。だけど、心の奥底に『プレーしたい』という欲求があったのは事実だ。5歳の頃から僕を突き動かしてきた『競争心』は、試合でしか満たせない」
「控えメンバーでのピックアップゲームで、自分でも驚くほどキレのあるプレーができても、チーム事情で僕に出場機会はやって来なかった。公式戦にはほとんど出ていないけど、ずっと良いプレーはできていて、『僕はまだプレーできる』と感じられたことで、NBAに来てから一度も検討したことのなかったNBL復帰を考えるようになった」
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— Minnesota Timberwolves (@Timberwolves) November 28, 2025
レギュラーシーズン最終戦となったペリカンズ戦は、プレーオフに向けて主力を温存したため、イングルスは今シーズン2度目の10分以上のプレータイムを得て(32分)、初めての2桁得点(15得点)と2桁アシスト(10アシスト)を記録した。「練習場で調子が良くても、1年半もまともに試合に出ていないのに大丈夫なのか、という不安があの試合で消えたんだ」
イングルスの息子は自閉症で、サポートできる学校のあるオーランドに家族を残し、イングルスはミネアポリスに単身赴任していた。息子がこの夏に学校を卒業することも、このタイミングでの母国復帰を後押ししたのだろう。
NBAでのイングルスは『ロールプレーヤーのレジェンド』だが、オーストラリアでは『正真正銘のレジェンド』だ。大ケガを経験した38歳ではあるが、膝の手術から4年が経過し、その間も身体を鍛え続けてきた。NBL復帰は引退のためではなく、まだ勝つためだ。「もう若くないから、意味のある目標を追求したい」と彼は言う。NBL新人王になってから20年、イングルスの情熱は今もなお燃え盛っている。