誰も平均2.0ブロック以上の選手がいない中、3.5ブロックを記録
スパーズのビクター・ウェンバニャマがNBAの歴史に新たな1ページを刻んだ。現地4月20日、NBAは2025-26シーズンの最優秀守備選手賞(DPOY)を発表した。ウェンバニャマは選考委員100名全員から1位票を獲得。史上初となる「満票」での受賞で、トップディフェンダーの称号を手にした。また、22歳での受賞はNBA史上最年少の快挙でもあり、スパーズの選手としては2014-15、2015-16シーズンを連覇したカワイ・レナード以来の受賞となった。
NBA史上最高峰のディフェンダーの一人であるベン・ウォレスは2001-02シーズンに同賞を受賞した際、満票に最も肉薄(120票中116票の1位票を獲得)したが、それでも数票が他選手へ流れていた。ウェンバニャマが成し遂げた満票という結果は、現在のNBAにおいて彼の守備力が議論の余地がないほど突出していることを物語っている。
今シーズンのウェンバニャマは64試合中55試合で先発し、平均29.2分のプレータイムで25.0得点11.5リバウンド、3.5アシストを記録。そして、誰も平均2.0ブロック以上の選手がいない中、3.5ブロックを記録した。また、スティール数も平均1.0と、圧倒的な数字を残している。
ウェンバニャマは「満票で選ばれたことを心から誇りに思う。でも、本当の戦いは(アワードの資格条件である)65試合に出場し続けるコンディションを維持することだった」と、栄光の裏にある自己管理の徹底を強調した。今シーズンは『65試合問題』が物議をかもしたが、ウェンバニャマも特例が認められた一人となった。
2年連続のブロック王に輝き、リバウンドでもリーグトップクラスの数字を叩き出したウェンバニャマだが、彼の真の恐ろしさはスタッツに現れない抑止力にあると、チームメートのディアロン・フォックスは言う。
「彼はシュートを落とさせるんじゃない。相手にシュートを打つこと自体をあきらめさせるんだ。彼がペイントエリアにいれば、相手はドリブルで引き返すか、パスを外に逃がすしかない。オフェンスのダイナミクスそのものを変えてしまうんだ」
これほどまでの個の支配力を見せつけながら、ウェンバニャマの視点は常にチームにある。「スポットライトを浴びているのは僕だけど、僕はあくまでシステムの一部なんだ。チームメートやコーチングスタッフがいなければ、この賞を獲ることも、今のプレーをすることもできなかったよ」
スパーズのディフェンス・レーティングをリーグ2位(110.4)まで押し上げた立役者は、自らの功績を誇るよりも先に、周囲への感謝を口にした。昨シーズン、ケガの影響で選外となった悔しさを糧に、心身ともにスケールアップして帰ってきた。シーズンMVPの最終候補にも名を連ねているウェンバニャマに今後も目が離せない。
