4月11日から12日に渡って『MANDOM presents 飯塚カップ 2026』が開催された。男子U18日本代表のチームリーダーとしてドイツの『アルベルト・シュヴァイツァートーナメント』に参加していた東山の監督を務める大澤徹也コーチは、ひと足先に帰国し、この大会で指揮を執った。京都府新人戦以来の合流となった大澤コーチは次世代エースの呼び声高い佐藤久遠や新井伸之助といった上級生を軸としつつも、新1年生を積極的に起用し、福岡大学附属大濠、福岡第一、開志国際相手に3戦全勝を飾った。その大澤コーチに多くの有望な1年生が入部した東山が目指す、新たなチーム像について語ってもらった。

目指すのは「攻撃に『より特化』するチーム」

──今年のチームについてお聞かせください。

昨年、下級生として試合に出ていた子もいたので、その良い部分を残しつつ、去年のチームとはまた違うところを明確にしなきゃいけないと自分の中で考えてスタートしました。京都府新人戦で勝ち切ったということは、しっかりと力を見せてくれたと思うのですが、どうやってバージョンアップしていかなきゃいけないのか、というところが課題としてすごく残りました。「今年のチーム像はこういう風にしていきたいね」とは伝えていたつもりだったんですが、新入生も入ってきて、これからどうやって進めていくか模索しているような状態で、まだまだ完成形にはほど遠いですが、東山のコンセプトは変えず、今年のチームの強みを見出していきたいです。

──昨年は佐藤凪選手という強力なポイントガードがいました。コンセプトを変えず、新たなチーム像を作るということで具体的にはどのようにお考えでしょうか?

今はケガで(中村)颯斗はいないですが、その颯斗や久遠の攻撃力、あとは鈴木(勇功)、新井などがオフェンシブな選手として揃っています。その部分で、主導権を握りたいというのがウチのバスケットなので、今までよりも攻撃に『より特化』するチームを目指していきたいと思っているんですよね。外からも狙えるし、中に入っても止められない、相手に的を絞らせないオフェンスが今年は作れるんじゃないかなと思っています。去年は絶対的なポイントガードがいて、そこから始まるバスケットでしたが、今回は5人が連動するバスケットを目指していきたいですね。

──飯塚カップでは3試合を通して新1年生をこまめに起用していました。新入生が今年はカギとなりそうですね。

今回の遠征に連れて来ていない選手もいるので、まだ一概には言えません。ただ、ベースとしてやはり去年から出ている2年生、3年生が1年生の力を借りずに戦う姿勢も見たいですし、逆に1年生の勢いにどうやって乗っかって行けるのか見ものですね。もちろん、1年生が出る可能性も高いですが、チーム内での競争を激しくして、競い合わせることによってチームの総合力を上げていきたい狙いがあります。

核となるのは去年から出ている選手ですが、ベンチメンバー含め2、3年生が、ウインターカップなどの決勝で負けている悔しさ、思いを糧にして雰囲気作りをしてくれたらきちっと引き締まった良い形になってくるんじゃないかなと思います。1年生の勢いにプラスして2、3年生の思いが強くなってくれることを期待しています。

──今回の飯塚カップで見えてきた部分はありますか?

京都府新人戦が終わってからずっと代表活動に帯同していて、こんなにチームを留守にしたことはなかったのですが、私が不在にしている間でもしっかりと個人の目標や、チーム作りをやってくれていたと感じました。今回、1年生を多く連れてきたのは、全国の強豪校と実際に対戦することで、肌感、強度を感じてもらいたかった意図があります。

見ていない間に子どもたちが成長してると実感できましたし、私がいなくても努力を続け、チームを良くしていこうという姿も見られたので、あとは練習の時間を増やしていけば良いチームが作れるんじゃないかなという実感はすごくありましたね。

「日々の練習の質が絶対に上がります」

──今年は1年生が豊作となりました。どういったリクルート活動をされていたのでしょうか?

大前提として「全部来てください」と、僕は言えないんですよね。やっぱり試合に出るメンバーは15人ですし、その中でも同じポジションで何枚も持ってるわけにはいかないじゃないですか。そういった意味でも「ウチでやるとライバルも多いよ」という話をするのですが、それでも東山を選んでくれるというのは、僕としては思いを持って来てくれてる子たちが多いと思うので、預かった以上は様々な経験をさせながら、もう一つ上のステージでプレーする3年間を送ってほしいと思っています。

周りから「取り過ぎだ」とか色々言われるかもしれないですが、選んでくれたのは子どもたちなので、私もやっぱりきちっと次のステージまでは必ず持っていかなければいけないとすごく感じてます。責任は重大だと感じていますが、東山を選んでもらえるようになってきているのは事実なので、彼らとともに成長していけたら、また違う東山ができてくるのではないかなと思います。あれだけ良い子たちがいるというのは、100%期待しかないので、僕にとってはプレッシャーになっています(笑)。そのプレッシャーをなんとか返せるようにしていかなきゃいけないですね。

──どうしても様々な意見は出て来てしまうと思います。

良い見方をされる方もいれば、違った見方をされる方もいらっしゃいます。ですが、逆に僕はそれを力に変えていくというか、変えていかなきゃいけないという責任感が生まれました。レベルの高い子どもたちが集まれば、日々の練習の質が絶対に上がります。それが一番良い効果で、毎日の練習が充実することに重きを置いてやっていきたいです。だからと言って2年生や3年生がほったらかしになるわけじゃないと思うので、チームとしては本当に良い流れになってるいるんじゃないかなと思います。

──相乗効果がポイントになるということですね。

そうですね。チーム力を上げるための相乗効果も必要ですし、個々のマインドが重要になります。特に久遠なんかは、非常にポジティブで勝ち気な選手なので、ああいったところを学んでやっていってくれると、チームにとってはすごくプラスになると思います。でも、あの中で10人も20人もそのマインドを持った選手が出てきてしまったら、またそれも大変だなと思いながらですけどね(笑)。だけどそういうチームにとって必要なモノは勉強してどんどん競い合ってほしいですし、また逆に下級生が入って来たことで久遠たちも責任感が生まれると思うので、言葉の責任であったり、プレーの責任というのは、ウチでしかできない経験になってくると思います。

そういった意味でも彼らは成長していくと思うので、この環境に満足せずに、いろいろなことができるような環境に自分もしていかなきゃいけないなと思っています。監督業というよりもなんかGMみたいな感覚ですよね(笑)。そういう隅々まで丁寧に見てかなきゃいけないという、身の引き締まる思いですが、代表活動で見れていなかったからというのを言い訳にしたくないので、抜けたりすることもプラスに考えながらチーム作りをしていきたいです。

──あらためて最後に飯塚カップで得られたこと、今後のチーム作りについてお聞かせください。

今回の大会を通して1年生の可能性も感じましたし、これで2年生、3年生が黙っているわけじゃないと思っています。このチーム内で競争を生ませること、日々の練習も充実させるところにテーマを置いてやっていきます。試合の日数は、1年の内で数えるくらいしかありません。公式戦で力を発揮するためにはそれ以外の時間をどうやって過ごすのか、子どもたちには日々伝えています。それができれば、新しいバージョンアップした東山ができるんじゃないかなと思います。楽しみな半面、プレッシャーもありますが、新しいチームを作っていきます。

そして最終的には、『こいつも使いたいな、あいつも使いたいな』と悩ましてくれるようなチーム作りができるようにしたいですね。