ライアン・ロシター

「再びチームメートとプレーできて最高です」

48日、アルバルク東京はアウェーに乗り込んで宇都宮ブレックスと対戦。最後までもつれる激闘を、この試合が約2月ぶりの実戦復帰となったライアン・ロシターの劇的な勝ち越しシュートによって84-82で制した。

試合の出だしからA東京は、この日18得点9アシストと活躍したテーブス海を軸にバックコート陣の積極的なアタックで宇都の守備を切り崩し、前半だけで17本のフリースローを獲得。さらに効果的に外角シュートも沈める理想的なオフェンスで前半を50-38とリードして終える。

後半に入ると宇都宮の反撃をくらい、特に26得点を挙げることになるD.J・ニュービルには次々とタフショットを決められた。第3クォーター終了時に逆転を許したが、A東京はここから守備を立て直し、第4クォーターは一進一退の息詰まる展開が続いた。

同点で迎えた試合残り8秒、宇都宮ニュービルのアタックに対してブランドン・デイヴィスが素早くヘルプに寄ってスティールを奪取。そのまま敵陣へボールを持ち込んでレイアップを放つが決めきれない。しかしリバウンドを拾ったロシターがこれを冷静に沈め、残り0.4秒で決勝点が入り、東地区首位の宇都宮から大きな1勝をもぎとった。

ロシターは左太腿部動脈損傷、左太腿部血腫の負傷によってインジュアリーリスト入りし、この日は215日以来の復帰戦となった。ファウルトラブルもあって2155秒出場にとどまり、得点面ではいつもの存在感を発揮できなかったが、それでもA東京が挙げた最後の4得点はロシターの得点と、持ち前の勝負強さをしっかり発揮した。

ロシターは「復帰できてよかったです。約2ヵ月、試合に出られなかったのはタフでしたけど、こうやって再びチームメートとプレーできて最高です」と復帰の喜びを語る。

決勝シュートに加え、パスカットされたこぼれ球がロシターのもとに来て決めた残り1分半のシュートでも運を味方につけた。ロシターは「運じゃなくて、これもスキルだよ」と冗談を語ると、決勝弾の場面を振り返る。

「ブランドンがリングにアタックするのは分かっていました。彼が決めてくれるのを願っていたけど、外れた時はリバウンドに入ろうと思っていました。今日は試合勘については、ばっちりとは言えなかったです。自分のリズムや感覚を取り戻すには数試合かかると思います」

ライアン・ロシター

「大切なのはCSで最高のバスケットボールができること」

大黒柱のロシターを欠いている間、A東京は3月中旬からリーグ戦5連敗と苦しい時期を過ごしていた。ベンチ脇でチームの敗戦を見ることしかできなかった当時の気持ちをロシターは「コートに出てみんなを助けたい気持ちでした。チームが負けるのを見るのはやっぱり辛いです」と明かす。

だが、連敗中もチームの雰囲気は決して悪くなかったと続ける。「勝ちたいのでフラストレーションはありましたが、負けを誰かのせいにするような雰囲気は一切なかったです。『どうすれば改善できるか』を全員で考え、チームはまとまっていました。負けたことに腹が立っていましたけど、それは『次の試合に勝つぞ』という前向きな怒りでした」

周囲は地区首位の宇都宮相手に勝利したことの意味を大きく捉えているかもしれないが、ロシターはここから全ての試合がこの試合と同じくらい重要になると気を引き締める。

「残り10試合、チャンピオンシップのために勝ち続けないといけないです。順位争いは4チーム、5チームが団子状態で熾烈です。相手がどこであれ、1勝の重みは同じです。先週対戦した秋田ノーザンハピネッツはリーグ下位ですがタフな試合になりました」

シーズン序盤から欠場が続いていたデイヴィスは3月に復帰し、試合を重ねるごとに調子を上げている。そしてロシターの合流によって、遂にA東京はベストメンバーとなった。だがロシターは、「今の布陣でのケミストリーをこれから高めていかないといけないですが、あと10試合しかないです。だから僕も完璧なコンディションではなくても、少し早く復帰してチャンピオンシップ出場に貢献するほうが良いと考えました。今のチームの中で自分の役割を確立させ、1試合でも多く勝つことに集中しています」と危機感を持っている。

ただ、ロシターは同時にチームの結束力への自信も強調する。「僕がブランドンに、ブランドンが僕に合わせ、他の選手たちも僕の復帰にアジャストする必要があります。毎日、努力をしていかないといけない。ただ、このチームには良い人間性を持った選手が揃っています。コート外でも仲が良くお互いを尊重している。これがコート上でのケミストリーを熟成させていく助けになります」

ロシターは最後に「最も大切なのは、チャンピオンシップで最高のバスケットボールができるチームにする。パスがよく周り、全員が連動する状態にすることです」と締めくくった。

ロシターが語るように連携面は発展途上だが、それでもようやく全てのピースが揃ったA東京。今回の勝利はチームの潜在能力の高さを示し、改めて彼の存在の大きさを証明するものとなった。