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前半はレブロンが18得点10アシストと大暴れ

NBAファイナル第2戦、初戦に続きホームのオラクル・アリーナでウォリアーズが攻守の噛み合ったバスケットを展開し、キャバリアーズに大勝した。

立ち上がりはキャバリアーズのペースだった。第1戦では相手が得意とする3ポイントシュートを打たせないプレッシャーディフェンスを仕掛けたものの、逆にインサイドを突かれて失点を重ねた。この試合ではきっちり修正し、外のプレッシャーは緩めず、インサイドへの仕掛けも素早いダブルチームで対応。キックアウトのパスを狙うことでターンオーバーを連発させた。

そして序盤からレブロン・ジェームズはエンジン全開。相手のターンオーバーからのアーリーオフェンスで、相手の守備が整わないうちにリングまで一直線のアタックで豪快な得点を連発する。しかし、レブロンは前半で18得点10アシストを記録するも、エースの奮闘にチームが乗れない。セットオフェンスでパスが回らず、3ポイントシュートの確率も上がらず。

ウォリアーズは前半だけでターンオーバー13と苦しみながらも、アップテンポの打ち合いは得意。カリーはミスに臆することなく突破し続け、ファウルを誘ってフリースローで得点を重ね、次第に3ポイントシュートも当たりだして、67-64とわずかにリードして前半を終えた。

レブロンの疲労とともにデュラントが存在感を発揮

均衡が崩れたのは第3クォーター中盤だった。シンプルなスクリーンプレーでフリーになったステフィン・カリーが余裕を持って沈めた3ポイントシュートを決め、次の攻めでカリーをマークしていたJR・スミスが個人4つ目のファウルを犯しベンチへ。この残り10分を切ったあたりからキャブズの守備が綻び始める。

ウォリアーズも残り8分のところで自らのパスミスで相手の速攻になる場面を止めたドレイモンド・グリーンが個人ファウル4つ目でベンチへ。ところがウォリアーズはグリーン不在となっても守備の強度が落ちなかった。

前半に続きレブロンが牽引するキャブズだが、第3クォーター中盤になって疲労が出てきた。オフェンスでフル回転するだけでなく、ディフェンスではケビン・デュラントのマークを主に担当。ここで消耗したことで、ウォリアーズとの差が次第に開いてくる。

キャブズにとっての誤算はカイリー・アービングの不調だった。19得点7アシストの数字以上に、消極的なプレーが目立ち、レブロンの負担を軽減させられず。ラブはうまくレブロンをサポートしつつ、そのアシストを受けて27得点と気を吐いたが、やはりチームとして噛み合っていなかった感は否めない。

アップテンポな打ち合いに沸くオラクル・アリーナ

第3クォーター残り4分48秒、カリーがゴール下にカットインするショーン・リビングストンにノールックパスを送り、リビングストンが悠々とダンク。93-82とリードを2桁に乗せ、ウォリアーズファンの興奮は最高潮に達した。

キャブズのタイムアウト明け、レブロンがジャンプショットを沈めるも、直後にクレイ・トンプソンがロング3ポイントシュートを沈めて96-84に。この後はウォリアーズが2桁のリードを保ち続け、第4クォーター残り3分47秒、125-106の場面でキャブズはレブロン、ラブ、アービングの『ビッグ3』をベンチに戻して白旗を掲げた。

最終スコアは132-113。第1戦に続きウォリアーズが大差を付ける快勝を収めた。

レブロンは後半に失速して29得点止まり。一方、デュラントは後半に勢いを増してゲームハイの33得点を記録。得点以外にも6アシスト3スティール5ブロック、しかもレブロンのマークまで引き受けたのだから、その働きは特筆に値する。

そしてカリーは8つのターンオーバーを記録するも、こちらも後半に立て直し、32得点10リバウンド11アシストと、ポストシーズンではキャリア初となるトリプル・ダブルを記録した。

試合後、カリーはこう語っている。「ファイナルだから、モチベーションはそれだけで十分。とにかくすべてを出し切る。僕は自分に厳しいから、もっと良いプレーをしたいと思う。クリーブランドに行ったらまた厳しい試合になるだろう。勝つにはもっと良くしないと」

また、この試合では体調不良だったヘッドコーチのスティーブ・カーがベンチに戻ってきた。カリーは言う。「彼の声を聞くのが好きなんだ。彼が戻って来てくれて、これですべてが整ったと感じているよ」

これでウォリアーズが2連勝。次戦は現地7日、クリーブランドに舞台を移して行われる。