男子日本代表

前半は我慢のバスケを展開、終盤に圧倒して大会3勝目

台湾で行われているウォリアム・ジョーンズカップは大会5日目。ここまで2勝1敗の日本代表はインドネシアと対戦し、苦戦しながらも後半に突き放して88-61で勝利を収めた。

4試合目にして初めて先発に名を連ねたテーブス海が、立ち上がりから自ら仕掛けてズレを生み出しては、鋭いパスを通して次々とチャンスを作り出す。この大会で常にシュートタッチの良い橋本晃佑が3本の3ポイントシュートを沈めるが、チームとしてはオフェンスが外に偏り、他の選手のシュートが決まらず、リバウンドから走られることでビハインドを背負った。

ディフェンスから早い攻めに持ち込むインドネシアが、思い切り良く打つシュートを高確率で決めていく。この悪い流れを断ち切ったのはセカンドユニットだ。ニカ・ウィリアムスがゴール下のディフェンスとリバウンドに身体を張り、インドネシアの得点をストップさせる。ニカは攻めに転じるとシュートがまるで決まらなかったが、しぶとくアタックすることでファウルを誘い、フリースローで押し返した。

第2クォーターに入ると、序盤にはシュートが入らず速攻を浴びる原因を作ってしまった安藤周人が、借りを返す3ポイントシュート連続成功でビハインドを帳消しに。第2クォーター終盤に安藤誓哉とテーブスの同時起用で自在にチャンスを作り出し、ニカもショットブロッカーとして存在感を発揮。39-36と逆転して前半を終えた。

ただ、後半も均衡は続いた。身長の高い選手を集めてサイズの不利を感じさせない日本だが、ディフェンスからオフェンスへの切り替えがスムーズにいかず、思い切り良く走ってリズムを作っていたのはインドネシアのほう。シュートまでの形はできているだけに、第3クォーターを終えてフィールドゴール成功率が40%を切っていたことは大きな課題となる。

それでも、クォーターごとに当たりの出る選手はいた。橋本、安藤に続いて第3クォーターに得点を固めたのはコー・フリッピン。軽快なドライブからレイアップに持ち込み、3ポイントシュートも沈め、相手のマークが厳しくなればファウルを誘ってこのクォーターだけで11得点。フリッピンはスティールからの速攻で小川春太のダンクを演出して第3クォーターを締め、日本に2桁のリードをもたらした。

63-48で迎えた最終クォーター、これまで全開で飛ばして来たインドネシアは気力、体力ともにガス欠に。安藤周人と中村太地の3ポイントシュート成功に始まる10-0のランでリードを25点に広げ、この時点で勝利を決定づけた。最終スコア88-61で日本が勝利している。

最終的にはオフェンスで相手をねじ伏せた形になったが、苦しい展開で持ちこたえ、流れを呼び込んだのはディフェンスの力。そういう意味では11リバウンド2ブロックのニカを中心に、チーム一丸で我慢のバスケットを展開できたことが勝因と言える。またこれまでの3試合よりも若手のプレータイムが多かったこの試合、渡邉飛勇と小川春太がそれぞれ10得点を記録して結果を出した。渡邉は守備に難もあったが8リバウンドとこちらでも貢献。小川は2つのダンクを決めてチームを勢いづけた。平岩玄、星野曹樹、中村太地といった若手もそれぞれ持ち味を見せており、まだ粗削りではあるが今後を期待させるポジティブな面が光る試合となった。

ジョーンズカップ2019 男子日本代表チーム13名
1 コー・フリッピン(SG / 千葉ジェッツ)
3 安藤誓哉(PG / アルバルク東京)
5 テーブス海(PG / ノースカロライナ大学ウィルミントン校1年)
13 安藤周人(SG / 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
15 星野曹樹(SG / 白?大学4年)
21 橋本晃佑(SF / 宇都宮ブレックス)
25 平岩玄(PF / 東海大学4年)
28 ニカ・ウィリアムス(C / 秋田ノーザンハピネッツ)
29 中村太地(PG / 法政大学4年)
30 小川春太(SF / マサチューセッツ工科大学 進学予定)
32 シェーファー・アヴィ幸樹(C / アルバルク東京)
34 渡邉飛勇(PF / ポートランド大学2年)
88 張本天傑(SF / 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
[ヘッドコーチ]エルマン・マンドーレ