ステフィン・カリー

「お互いを勇気づけて、お互いのベストを引き出せる」

ケビン・デュラント、アンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストンと、『王者』を支えた重要な戦力の退団が次々と決まり、来シーズンのウォリアーズのロスターは一変する。この状況を、チームに残る選手はどう考えているのだろうか。

ステフィン・カリーは、今年で7回目の出場になるセレブリティ・ゴルフトーナメントの練習ラウンド後、サイン&トレードという形ながらも自ら望んでネッツへ移籍したデュラントの気持ちに理解を示した。

「それがどこだろうと、自分の幸せを求めるの自然なこと。この3年間は特別なものだった。彼とは3年連続してファイナルに出場して、2回も優勝できた。多くのことを成し遂げられたよ」

2016年にデュラントがウォリアーズに加入したことで、リーグ全体に『スーパーチーム』の流れが発生した。だがカリーの持論は、「タレントを集めるだけがすべてではない」だ。

「ウチに集まったタレントの数についてばかり論じられるけれど、それで上手くいく保証なんてないし、全員が一つになって成功を収められるという保証もないんだ」

来シーズンからは、デュラントとのトレードで獲得したディアンジェロ・ラッセルがウォリアーズの中心の一角を担う。カリーは、まだラッセルと多くの時間を共有していないことを明かしたが、新チームのケミストリーを楽しみにしている。

「ケミストリーはすぐに生まれるはずだ。どういうプレーをするか、そういう目的意識を持って取り組むからね。お互いを勇気づけて、お互いのベストを引き出せるという自信を持って取り組む。クレイ(トンプソン)が復帰したら、彼もバックコートに加わる。楽しいことになるよ」

カリーも31歳になり、チームでも年長組の一人になった。キャリア後半に突入したとはいえ、新たなチャレンジに興奮していると話す。

「正直に言うけれど、楽しみにしているんだ。5年続けてファイナルに進出して、多くのことを成し遂げてきた。3回も優勝できたことを誇りに思う。それでも、また同じレベルに到達するための新たなチャレンジを欲するものなんだ」

この夏にはトレード、フリーエージェントでの大物の移籍が相次いだ。西カンファレンスではレブロン・ジェームズ&アンソニー・デイビス(レイカーズ)、カワイ・レナード&ポール・ジョージ(クリッパーズ)、ジェームズ・ハーデン&ラッセル・ウェストブルック(ロケッツ)という超豪華デュオが誕生している。さらに競争レベルが激化する西において、カリーが中心の新生ウォリアーズがどういう進化を遂げるのかも、2019-20シーズンの楽しみの一つだ。