リーグと並行して行われた合宿で「良い経験ができた」
男子日本代表は3日後に東アジア選手権開幕を控え、直前合宿を実施した。
富樫勇樹は、大会前最後の合宿を終え、「(Bリーグの)60試合が終わったということで疲れはあったんですけど、今は2週間くらい経っているのですごくコンディションとしては良い」と元気な姿をアピールした。
代表に選ばれる選手たちはレギュラーシーズンと並行し、月1回のペースで強化合宿を行うというハードなスケジュールをこなしてきた。富樫も「土日の試合が終わって集まって、月、火の練習というのは体力的にしんどかったんですけど……」と素直に語りながらも「来シーズンからワールドカップ予選もあり、そういう大会に向けては良い経験ができたかな」と前向きに受け止めている。
東アジアカップは8月に行われるアジアカップの予選も兼ねているため、ワールドカップやオリンピックの出場権を得るための重要な大会となる。富樫もその状況をしっかり理解している。
「オリンピックやワールドカップに向けた一番最初の大会だと思うので、チームとして良い入り方というか、良い結果を残せるようにしたいです。そしてチームとしても個人としてもレベルアップしていかなければいけないと思います」
日本の初戦の相手は韓国。ヘッドコーチを務めるルカ・パヴィチェヴィッチも「日本と韓国はただのライバル関係ではないことは分かっている」と、『日韓戦』が持つ特殊な雰囲気を感じ取っている。
ジョーンズカップで韓国との対戦経験を持つ富樫は「監督も代わっていないし、チームもそんなに変わっていない。どのメンバーで来るか分からないですけど、韓国の早いテンポにやられないように良い入り方をしたい」と抱負を述べた。
『信頼』を勝ち取り、躍進を遂げたBリーグ初年度
今となっては代表の常連であり、Bリーグの顔としての地位を確立した富樫だが、昨シーズンは千葉ジェッツで思うようにプレータイムを獲得できず、代表でもメインの選手ではなかった。
「代表は初めてではないんですけど、いつも候補とかで練習して、海外行って親善試合に入るけどほとんど出なかったり、FIBAの大会にはほとんど出たことなかったです」と富樫は振り返る。
「Bリーグになって個人としてステップアップできた一年でした」と語る富樫だが、ここまで躍進できた要因に『信頼』という言葉を挙げた。
「去年も同じプレーはできていたと思います。自分の良いところを引き出してくれて、チームのスタイルにフィットし、自分を信頼してくれるコーチの下でできています」
ルカコーチはこれまでの強化の中で、ピック&ロールの展開に多くの時間を費やしてきた。「特に今はルカコーチの下でそういうスタイルなので、それはチャンスだと思ってます」というように、自分の良さを最大限アピールしてきた。
コーチの信頼を勝ち取った証拠として、オフェンスの最終セレクションは富樫に任されているという。「困ったら最終的にピック&ロールでやっていいと言われているので。ショットクロック残り10秒を切って、ポイントガードに戻してピック&ロールして、そこで何かしらをクリエイトして攻めてくれっていうのは(千葉も代表も)どちらのチームでも言われてます」
Bリーグは全日程を終えたばかりだが、この週末から代表の公式戦がスタート。「チームとしても、個人としても結果を残したい」と意気込む富樫を筆頭に、オリンピックへ向け動き始めた日本代表の動向に今後は注目だ。