カワイ・レナード

カワイ中心のバスケ、スペースを潰す組み合わせの悪さ

開幕から絶不調で下位に沈んでいたクリッパーズが、直近で9勝2敗と持ち直してプレーイン出場圏内の10位まで1ゲーム差としています。この期間、カワイ・レナードが平均32.5得点でオフェンスを牽引し、カワイ中心の戦い方が定まったことでチームは上向きました。

しかし、イビチャ・ズバッツのケガが低迷脱出のきっかけになったのは、チームにとって大いなる皮肉です。ここ数シーズン、毎年のように主力の顔触れが入れ替わるクリッパーズで、安定した攻守でインサイドを支えてきたズバッツですが、彼が欠場した5試合のうち3試合でカワイが40得点超えと大爆発しています。

ズバッツが欠場した5試合は5連勝、復帰後の5試合は3勝2敗。復帰後の5試合でのズバッツはオンコート時の得失点差がマイナスとなっています。ケガの影響も考えられますが、カワイ中心の戦い方を明確に打ち出すようになった今、そのフィジカルとシュート力を生かしたポストアップやショートレンジのフィニッシュが最大の武器となりますが、ズバッツがいるとペイント内のスペースをお互いに潰すことになります。

ズバッツ不在の間、3ポイントシュートがメインとなるブルック・ロペスやニコラ・バトゥームが起用され、ジョン・コリンズがオフボールで縦横無尽に動き回り、フィールドゴール成功率70.1%と大活躍しています。ズバッツがプレーしている時のコリンズはコーナーでのスポットシューター役です。しかし、ズバッツ不在だとスペースが広くなり、フリーになる動きから3ポイントシュートを67.6%と驚異の確率で決めています。

さすがにこの高確率は続かないでしょうが、ズバッツ欠場時にレナードとコリンズが調子を上げたことでクリッパーズのオフェンスは大きく改善しました。

また、ディフェンス面でも3ポイントシュートへのクローズアウトが改善し、それまで38.9%だった相手の成功率を31.2%まで下げています。ズバッツを中心にインサイドを強く守るのがクリッパーズのディフェンス戦術でしたが、コリンズとレナードを中心にしたスモールラインナップの方が上手く守れています。

ただし、相手のオフェンスリバウンドは11.0本から14.0本に増えており、ズバッツのプレータイムが減ったデメリットも出ており、すべてが上手く回っているわけではありません。

昨シーズンはジェームズ・ハーデンとズバッツを核にした戦い方がハマりましたが、同じ戦い方では即座に対策されるのがNBAです。レナードとコリンズがスペースを使うオフェンスにしてからターンオーバーも減っており、プレーを読まれなくなったのも改善した要因でした。言い換えれば対戦相手の対策が変更されれば、再びズバッツのゴール下が効果的になるとも言えます。異なる戦術を上手く使い分けることができるかどうかが、クリッパーズのシーズン後半戦のポイントになりそうです。