
アメリカの大学から山梨クィーンビーズに『逆輸入プレーヤー』として入団し、11月30日のSMBC TOKYO SOLUA戦で初出場を果たした岡田来夢のインタビュー後編。一時はバスケット人生に一区切りをつけることも考えていた中、バスケットを続ける決意をしてWリーグの門を叩いた岡田が、チームに入団して感じた日本とアメリカのバスケットの質の違いと、そこで活躍するための課題や目標について語ってもらった。
「新幹線が走っているの!?」と思ったスピード感
──山梨クィーンビーズに入団することになった経緯について教えてください。弟の大河選手も近いタイミングで川崎ブレイブサンダースに加入しましたが、何か関係はありますか?
たまたま時期が重なっただけで、お互いに日本でプレーをしようと話していたことはありません。川崎に入団が決まった時は2人とも静岡の実家にいて「決まったよ」と話をしていたくらいですね。まさか彼がこのタイミングで日本でプレーをするとは思いもしなかったです。私がクィーンビーズに入団するきっかけになったのは、父の山梨でのクリニックについていったことです。チームに加入する前から練習に参加させていただいていました。
──チームの印象はいかがでしたか?
まずは選手やスタッフの方々が本当に優しくて、一つひとつのメニューをていねいに説明してくれました。「応援したいな」って思える選手やチームだなと思ったのが第一印象です。
──バスケットの部分ではいかがでしょうか?
フィジカルが強いですね。アメリカの大学でもフィジカル面では問題なくやれていたと思ったのですが、上手くいかないことが多くて強度の高さを感じました。あとはスピードですね。「新幹線が走ってるの!?」って思うくらい選手のスピード、攻守の切り替えの速さは驚きました。特に5対5の速さについていくのは加入当初は精一杯でした。
──アメリカの大学はショットクロックが30秒ですよね。その影響もあるのでしょうか。
確かにそうですね! その違いもあるのかもしれません。しっかりと慣れていきたいですね。

「まわりを生かすことを追求していきたい」
──Wリーグで活躍する姿は想像できますか?
練習でも実践しているので理解はしていましたが、クィーンビーズはピック&ロールを多用するチームなので、初めてベンチ入りして試合を間近で見た時に、自分の存在価値を再認識できました。どうやったらビッグが簡単にシュートを決められるのか。ペイントエリアに近くなればシュート確率も上がるという前提を踏まえながら、いかにゲームメークしたら良いのか。ペイントエリアがシュリンクされたときに、気持ち良く打てるパスを出すにはどうしたら良いのか。自分が出たらどうやってプレーするべきかを想像しながら観戦していました。
──ご自身が活躍する上で課題だと思ったことはありますか?
ディフェンス面ではフィジカルを強化しなくてはいけないと思いました。スピードもあってフィジカルも強いWリーグで、身長が低い(157cm)私はミスマッチを招く可能性もあるので、自分でしっかりと守り抜けるようにならないといけないと思っています。オフェンス面では、ポイントガードなのでまわりを生かすことを追求していきたいです。また、プレッシャーをかけられた時に後ずさりしないこと。しっかりと積極性を持って、相手のプレッシャーを跳ね除けるくらいの気持ちでプレーをしたいです。
──石川幸子ヘッドコーチから求められていることはありますか?
山梨の特徴はアップテンポなバスケットを展開することなのですが、その中で緩急をつけてほしいと言われています。「ここで1本欲しい」というところを見極めてペースをコントロールする、自らシュートを決めに行く時は決めに行くということを求められています。今は練習で2番ポジションでプレーすることも多いので、自分がコントロールしてポイントガードにシュートを打たせるシチュエーションを作ることも心がけています。
──改めて山梨で戦っていく今シーズンの意気込みをお聞かせください。
今は本当に、自分がチームにどのようなことで貢献できるのかを毎日考えてバスケットをしています。数少ないチャンスの中でどれだけ自分を表現してプレーをすることができるのか、万全の状態で望めるように日頃から準備を怠らないようにしています。
キャプテンの井上桃子さんがおっしゃっていたのですが、負けている状況下でも応援をし続けてくれるファンの方々、試合運営のために働いてくれている方々など、クィーンビーズを支えてくれる方々のためにも、ユニフォームを着ている限りはクィーンビーズの一員としてプレーや行動に責任を持って、コートの中でも外でも感謝の気持ちを忘れずに戦っていきたいと思います。これからも応援をよろしくお願いします。