ラッセル・ウェストブルック

23得点16リバウンド10アシストでウォリアーズを撃破

キングスとウォリアーズの対戦は、同じカリフォルニア州でサクラメントとサンフランシスコの距離が近いことで盛り上がる。しかし、現地11月5日の対戦は、ウォリアーズはステフィン・カリーとジミー・バトラー、ドレイモンド・グリーンが、キングスはドマンタス・サボニスとザック・ラビーンがケガや体調不良で欠場した。

その代わりに観客が見たのは、ラッセル・ウェストブルックのトリプル・ダブルだった。23得点16リバウンド10アシストを記録したウェストブルックは、これでサンダー、ロケッツ、ウィザーズ、レイカーズ、クリッパーズ、ナゲッツ、そしてキングスと所属した7チームすべてでトリプル・ダブルを記録したことになる。

キングスの指揮官ダグ・クリスティは、開幕直前に加入したウェストブルックを高く評価し、試合ごとに彼に託す役割を増やしている。「殿堂入りが約束された選手で、圧倒的な才能の持ち主だ。彼が持つ情熱、闘志には驚かされる。それこそがバスケの本質だ。熱意を持ってプレーする彼の姿を見ているのは楽しい」とクリスティは言う。

ウェストブルックはキャリア18年目、来週には37歳の誕生日を迎える大ベテランで、平均トリプル・ダブルやMVPを受賞した頃のようにはプレーできない。それでも毎試合で100%のエネルギーを出す姿勢は変わらない。

ナゲッツを離れた今オフはなかなか次のチームが決まらず、引退説さえささやかれた。それだけに彼は「試合に出て高いレベルで競い合う機会を当たり前だとは思っていない。今もまだプレーできることに、ただただ感謝している」と語る。

2日前のデンバーでのナゲッツ戦で、彼はプレーヤーオプションだったナゲッツとの2年目の契約を破棄した理由を問われ、「ナゲッツからそうするよう頼まれた」と明かしている。これに応じることでキャリアを危険に晒したわけだが、「求められない場所には行かない。その必要がないからだ」と気にしていない。

そして自分に対する批判的な意見にも無視を貫く。「誰に何を言われても僕は何も思わない。僕は誰かの期待に応えるために生きているわけじゃなく、僕個人の目標と夢に向かっている。機会さえ与えられれば、自分に何ができるかは分かっているつもりだ」

この試合でウェストブルックはゲームハイの16リバウンドを記録した。「率直に言って、僕は史上最高のリバウンド力を持つガードだと思う。ボールがリムに弾かれたら取るまでさ」と彼は言う。

この試合でキャリア通算のリバウンド数を8734とし、ガードによる通算リバウンド数でジェイソン・キッドの8725を抜き、歴代トップに立った。それを会見で聞かされたウェストブルックは意外な表情を見せた後、喜びの笑顔を見せた。

「全く知らなかったよ。それなら試合球を記念に持って帰らないと」。そう言うと彼は会見場の外へと声を掛けた。「誰か、試合球を手に入れておいてくれ!」