アデトクンボはフリースローわずか1本、12得点と不発
トルコとギリシャの対戦となった準決勝は、トルコが終始圧倒して94-68と大勝しました。規格外の身体能力を持つヤニス・アデトクンボには、どのチームも苦戦するものですが、攻守に渡って『アデトクンボ対策』が完璧に機能しての完勝でした。
ギリシャのディフェンスはアデトクンボをフリーマン気味にして、ゴール下のカバーをさせる強力なリムプロテクトが特徴です。これに対してトルコは、マークされたエルジャン・オスマニがトップからコーナーまでスペースにポジショニングし、第1クォーターだけで3ポイントシュート4本を決めることでリードを奪います。
ローポストからアタックしてくるアルペラン・シェングンには、複数人で囲むことでシュートミスを誘い続けたものの、パスで攻略もされてしまい、トルコのオフェンスは止まりません。パスと3ポイントシュートで崩されたことで、第2クォーター終盤からはアデトクンボをシェングンにマッチアップさせ、ノーヘルプの形に変更したものの、ペイント内の1on1でシェングンに連続で押し込まれると、もう手の打ちようがありませんでした。
トルコのディフェンスはオスマニがアデトクンボにマッチアップし、1on1を仕掛けてきたところでシェングンがカバーに入り、タフショットにしてミスを誘いました。アデトクンボはミドルは自由に打てたものの、ペイントに侵入すると囲まれてしまいシュートミスを連発。何よりトルコはノーファウルを徹底し、アデトクンボに与えたフリースローはたった1本。完璧なディフェンスで12得点に抑え込みました。
さらにトルコはガード陣がハードなディフェンスでミスを誘発し続け、ターンオーバーはトルコの13に対して、ギリシャは22と大きな差が付きました。ギリシャのシュートタッチは悪くなかったものの、アデトクンボはゴール下で潰され、ガード陣はボール運びすら止められてしまったことで、点を取れない展開が延々と続きました。
トルコはオスマニが3ポイントシュート8本中6本を決めての28得点と、マッチアップしたアデトクンボを大きく上回る大活躍。また、終盤にギリシャがディフェンスプレッシャーを強めても、ポイントガードのシェーン・ラーキンが安定したハンドリングと判断力でミスをせず、26点差の圧勝となりました。
決勝トーナメントに入ってからのトルコは、相手の特徴に応じたディフェンスプランが機能しています。ファイナルの相手は、ガード陣の突破力が特徴のドイツ。どのようなプランで止めに来るのか、非常に楽しみです。