2019年の優勝後は右肩下がり、『改革』の担い手に

ラプターズはクラブ運営をボビー・ウェブスターGMに託すことを決めた。2008年からラプターズで働き、球団社長として10年間にわたりクラブ運営を司ってきたマサイ・ウジリが昨シーズン終了をもって退任。その後任をラプターズは探してきたが、「現時点では球団社長を選出せず、ボビーをGMとして続投させ、彼にチームを委ねる決定を下した」と、ラプターズを保有するMLSE社のキース・ペリーCEOは発表した。

ラプターズは2018-19シーズンに球団史上初のNBA優勝を果たしたが、MVPのカワイ・レナードはその年限りで移籍。カワイに代わるエースの補強は行われず、そこからチームは次第に沈み始めた。翌年こそ強さを維持したものの、その後の5年間でプレーオフ進出は1回だけ。昨シーズンも30勝52敗とパッとしない成績に終わった。

ウジリは初優勝という大きな成果を残したが、そのチームの経年劣化を手をこまねいて見ていただけで、有効な手を打てなかった。ウェブスターはウジリに採用されて2013年にラプターズで働き始めた。この間もGMを務めていた彼にも低迷の責任はあるが、ラプターズ経営陣は外部の人材も幅広く調査した上でウェブスターにクラブ運営を託した。

ウジリが『消極的な現状維持』の方針で失敗したことを踏まえると、ウェブスターには大胆な方針転換が求められる。エースのスコッティ・バーンズはともかく、ブランドン・イングラムに3年1億2000万ドル(約180億円)、イマニュエル・クイックリーに4年1億2800万ドル(約190億円)、ヤコブ・パートルに2年3900万ドル(約60億円)の大型契約を与えている。この『エプロン時代』以前のような大盤振る舞いを見直すのが再スタートの条件となる。

ハワイ出身の40歳。ウェブスターはウジリのように饒舌でメディア受けするタイプではないが、実直な仕事ぶりで評価が高い。「NBAでこの仕事ができるのは30人だけ。これほど魅力的なバスケの仕事は他にない」と語る彼は、周囲の高い期待に応えるつもりだ。

https://twitter.com/Raptors/status/1957487034546659696