緊急就任から3年、NBA優勝を含む安定した結果を残す

セルティックスはヘッドコーチのジョー・マズーラとの契約延長に合意したことを発表した。契約内容は金額、年数ともに非公表だが、新たな複数年契約を結んでいる。

マズーラは2019年にセルティックスに加わり、2022-23シーズンのチーム始動直前に、イメイ・ユドカがスキャンダルで職務停止処分となったことで、アシスタントコーチから暫定ヘッドコーチになり、数カ月後に正式なヘッドコーチとなった

当時まだ34歳、ベテランのアル・ホーフォードより年下。それでもチームの混乱をすぐさま収束させ、ユドカの下でNBAファイナル進出を果たしていたチームの指揮を引き継いだ。1年目はカンファレンスファイナルでヒートとの『GAME7』の末に敗れたものの、2年目のプレーオフでは最初にヒートを撃破。その勢いを駆ってNBA優勝を果たした。昨シーズンはジェイソン・テイタムのアキレス腱断裂というアクシデントがあり、プレーオフではセカンドラウンドでニックスに敗れている。

昨シーズンのセカンドラウンド敗退は失意の結果だが、彼は「コーチの仕事を長く続けるのであれば、歓喜よりも失望を多く経験することになる」と語っている。「思い通りの結果が得られると期待してはいけない。どんな結果が出ても受け入れて前に進まなければならない。ロッカールームでも話したが、このチームでコーチを務められたのは私の人生で最高の栄誉の一つだ。最高の選手たちと一緒に戦えたことに感謝している」

レギュラーシーズンでは57勝、64勝、61勝と安定した強さを見せており、ここまでマズーラの挑戦は順調に来ていた。しかし来シーズンはテイタムが長期戦線離脱となり、ラグジュアリータックス削減のためにクリスタプス・ポルジンギス、ドリュー・ホリデー、ルーク・コーネットを放出。チームの精神的支柱であるアル・ホーフォードも退団が見込まれている。

優勝候補ではない戦力をどう駆使して勝ち星を伸ばしていくか。マズーラにとって4年目のシーズンは真価が問われるものになる。それでもフロントは若き指揮官にチームを長く託すことを決めた。今回の契約延長で、マズーラは腰を据えてチーム再編という難事業に取り組むことができるはずだ。