
関東大学選手権では10年ぶりに準決勝進出
2月の新チーム結成から約3カ月、早速結果が表れる。明治大は関東大学選手権で立教大、神奈川大を相手に連勝を飾った。神奈川大は昨秋の関東大学リーグ戦で2敗した相手だった。
勢いに乗った明治大は準々決勝で青山学院大と対戦。前半、相手のガードに高確率でシュートを決められ、36-39とリードを許す。後半、明治大は守備の強度を上げ、武藤俊太朗が相手エースを完全にシャットアウト。攻撃面ではチームNo.1スコアラーの塚田大聖が内外角からシュートを決め、接戦をモノにした。主将の千葉天斗は「試合前のスカウティングを含めて、選手・スタッフ全員がしっかり準備をすることができた」と評価した。
第4クォーターでの強さは大きな武器に
10年ぶりに進出した準決勝は白鷗大と対戦したが、相手の強固なディフェンスにシュート確率が上がらず、悔しい敗戦となった。翌日の3位決定戦の相手は、インカレ王者の日本大。4年生が入学してから公式戦で一度も勝ったことがない難敵だったが、「最後は勝って終わる」と全員が強い決意で臨み、65-61で競り勝った。
田中智也コーチはトーナメントの5試合について、「4年生がしっかりしているので大崩れしない。チームが安定してきています。3位決定戦で留学生のいる日本大に勝てたことは大きな収穫。ただし、その前の白鷗大には完敗でした。チームがさらにステップアップするための課題も見えた大会でした」と振り返った。
6月3日から始まった関東大学新人戦でも白鷗大に敗れた。だが、続く順位決定戦で3連勝すれば9位になり、ギリギリで全日本大学新人戦(新人インカレ)に出場できる状況だった。選手たちはここでも底力を見せる。青山学院大、日本体育大、大東文化大に連勝し、新人インカレに滑り込んだ。その新人インカレでも前年優勝の中央大に大逆転するなど強さを見せ、3位になった。
今年度ここまでに出場した3つの大きな大会において、特筆すべきデータがある。明治大は3大会で計15試合を戦ったが、第4クォーターがめっぽう強いのだ。この10分間に限定した明治大の戦績は13勝2敗。2敗のうちの1敗は、大差がつき気持ちがゆるんだ新人インカレ3位決定戦で、実質『負けた』のはトーナメントの白鷗大のみだった。
周知のとおり、バスケットは最終クォーターまでもつれることが多い競技だ。最後の10分間の強さは、明治大の大きな武器になる。
新人インカレで活躍し、優秀選手にも選ばれた石川晃希が指摘する。「勝ちたいという気持ちを全員が強く持っているからだと思います。去年悔しい試合ばかりでしたから。終盤にベンチから出てきて、ディフェンスでチームに勢いを与える選手が多いことも、強さに繋がっていると思います」
斉藤勝一監督は「後半に強いのは、高校時代に全国大会で優勝するなど大舞台を経験している選手が多いから」とした上でこう続ける。「明治大バスケ部は今年の創部100周年に向けて、リクルートを強化しました。幸いなことに、近年、多くの実力ある高校生が入学してくれました。私自身もそうでしたが、全国の大舞台で培われた勝負強さはその後に生きてくると思っています」
下級生の成長で選手層も厚くなった明治大。8月下旬から始まるリーグ戦では6位以内に入って全日本大学選手権のシード権を獲得し、同大会の優勝を目指すという。強度の高い練習を今後も継続し、白鷗大などの高い壁を越えられるのか。明治大から目が離せない。