バックスからの契約解除を受け、古巣と3年契約を結ぶ
デイミアン・リラードが3年4500万ドル(約68億円)の契約でトレイルブレイザーズに復帰すると『ESPN』が報じた。この契約は最終年がプレーヤーオプションで、トレード拒否条項が付く。
リラードは2012年のNBAドラフト1巡目6位でブレイザーズに指名され、1年目から主力として活躍。翌年に加入したCJ・マッカラムとのコンビの成長に伴いチームはプレーオフの常連となり、ウォリアーズの『王朝』と渡り合った。ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、ブレイザーズでの11シーズンでオールスターに7度選出されたリラードは、名実ともにブレイザーズの象徴だった。
しかし2023年オフ、すでに優勝争いをする力を失っていたブレイザーズと33歳になったリラードは別々の道を歩む。フロントがリラードと同じスコアリングガードのスクート・ヘンダーソンを全体3位で指名したことにプライドを傷付けられ、リラードはトレードを要求してバックスへ移籍した。
NBA優勝を目指してのバックス移籍だったが、1年目はヤニス・アデトクンボがふくらはぎのケガで離脱。2年目はリラードが血栓症を患い、プレーオフに間に合わせたが無理が祟ったのかアキレス腱断裂の大ケガを負った。優勝候補だったバックスは2年連続でファーストラウンド敗退を喫している。そして今オフ、バックスはマイルズ・ターナー獲得のためにリラードの契約を解除した。
フリーエージェントとなったリラードは約1年プレーできない状態にあるが、複数のオファーがあったという。その中からブレイザーズ復帰を選んだのは、ジョー・クローニンGMと指揮官チャウンシー・ビラップスの熱心な勧誘があったことに加え、ポートランドに戻れば3人の子供たちと暮らせるからだ。
バックスへの移籍と同時期にリラードは離婚しており、彼は家族と離れる苦悩を何度か語ってきた。今回、ブレイザーズ復帰が決まる前にも、リハビリはポートランドで行う意向を示していた。
昨シーズンのブレイザーズは36勝46敗で西カンファレンス11位。リラードのいない2年間で再建は目立った成果を挙げていない。リラードは新シーズンを全休し、2026-27シーズンからの復帰を目指す。その時には36歳になっている彼が再びエースを演じるのか、若手のサポート役に回るのかはまだ分からない。ただ一つ確かなのは、彼が心落ち着ける『家』に戻ったということだ。