デズモンド・ベインに続きタイアス・ジョーンズも獲得
マジックのジェフ・ウェルトマン球団社長は、デズモンド・ベインの獲得を決めた時点で「次はパオロ・バンケロの契約延長だ。今夏に交渉がまとまることを願っている」と語った。その願い通りに合意に至った。
5年2億3900万ドル(約360億円)はマジックの球団史上最大の契約となるが、新シーズンにバンケロがMVP、オールNBA、最優秀守備選手賞のいずれかを受賞した場合には2億8700万ドル(約430億円)となる。
バンケロは2022年のNBAドラフト全体1位指名選手。ルーキーイヤーからマジックの主力として活躍している。昨シーズンは開幕早々に腹筋を断裂するケガで戦線離脱となったが、年明けに復帰して46試合に出場。いずれもキャリアハイの25.9得点、7.5リバウンドを記録している。フィジカルに優れたパワーフォワードとしてペイントエリアをこじ開けることもできれば、巧みなスキルを生かしてプレーメークもこなす万能型。それでいてレギュラーシーズンで25.9得点、プレーオフでは29.4得点とチーム最多の得点を叩き出す、押しも押されもせぬマジックのエースだ。
ウェルトマン球団社長は「パオロが今後何年もマジックのユニフォームを着続けられることがうれしい。まだ22歳だが、新人王になり、オールスターにも選ばれ、リーグで最も輝かしい若きスター選手として認められている」とコメントしている。
バンケロより1年先にドラフトで指名されたフランツ・バグナーとジェイレン・サッグスを含めた生え抜きのコアがあり、2シーズン連続でプレーオフに進出。それでも昨年はキャバリアーズ、今回はセルティックスを相手にファーストラウンド敗退を喫した。
今のサラリーキャップのルールでは成長し続ける若いコアを長期間保有するのが難しく、マジックとしては今が『勝つべき時』であり、オフに入るとすぐにベインを獲得し、フリーエージェントのタイアス・ジョーンズとの契約もまとめた。ベインもジョーンズも、昨シーズンのマジックに足りなかった3ポイントシュートを補うガードで、トレードで放出したコール・アンソニーの穴を埋めて余りある戦力となる。
オフはまだ折り返し地点より前だが、マジックの新シーズンの陣容はほぼ固まったと言える。各ポジションにバランス良く選手が揃い、懸念すべきは優勝争いを経験した選手が少ないことぐらい。今のマジックには、その経験不足も若いチームならではの勢いで乗り越えそうなポジティブな雰囲気がある。