ロンゾ・ボール

8年間でシーズン60試合以上に出場したのは一度のみ

アイザック・オコロとの1対1のトレードでキャバリアーズに加入したロンゾ・ボールが記者会見を行った。

会見の冒頭、キャバリアーズ加入で最もワクワクしていることを聞かれたボールは「勝つチャンスがあることだ」と語った。「みんなキャブスがどれだけ良いチームなのか知っている。そして今シーズンも優勝の大きなチャンスがある。僕は勝つことにフォーカスしている」

ボールは2017年ドラフト全体2位指名でレイカーズに入団し、NBAのキャリアをスタート。その後ペリカンズ、ブルズを経て今回のキャバリアーズが4チーム目となる。198cmのサイズを武器とし、アシストに加えリバウンドにも長けた司令塔として確かな実力を示してきた。

だが、これまでの8年間でシーズン60試合以上に出場したのが一度のみと、故障の多さに悩まされてきた。膝のケガによって2022-23、2023-24シーズンと2年続けてシーズンを全休し、昨シーズンにようやく復帰を果たしたが、今度は手首のケガにより35試合出場に留まり、平均7.6得点、3.4リバウンド、3.3アシストとキャリアワーストの数字に終わっていた。

かつてはリーグ有数のポイントガードと評価されていたボールだが、今は崖っぷちの状況だ。現在の契約はブルズ時代の2月に結んだ2年総額2000万ドル(約30億円)だが、2年目はチームオプションと言われている。新シーズンも再びシーズンの半分以上を欠場するなど、昨シーズンと同じ内容だったら、契約更新はないだろう。

昨シーズンのキャバリアーズはゲームメークに長けた控えガードが欠けていた。この課題を解消する特効薬として稼働率に大きな不安を抱えるボール獲得の賭けに出た。注目の膝の状態について「シーズンが進むにつれて徐々によくなっていったと感じている。残念なことに手首のケガに対処しないといけなかったけど、膝に関して感触はよかった」と、問題がないと強調する。

そして、「僕のプレースタイル的に良い状況だ」と語り、持ち味であるパス能力、長身を生かしたディフェンス力を生かせると自信を見せた。「ドン(ドノバン・ミッチェル)はリーグ最高の選手の一人だ。このチームにはピック&ロールの役割をこなし、機動力に優れた2人のビッグマン(ジャレット・アレン、エバン・モーブリー)がいる。ディフェンスではスイッチを行うなど、攻守ともにいろいろな選択肢があるのは素晴らしいことだ」

これまでボールは、NBAキャリアでプレーオフ出場経験がない。だが、今のキャバリアーズにとってプレーオフ出場は通過点に過ぎず、彼は優勝するための切り札として加入する。本人も「優勝リングを取ること以外は失敗」と強い覚悟を持っている。昨シーズンのプレー内容から、ボールの復活には懐疑的な声も少なくない。彼がこのマイナス評価を払拭しXファクターとなった時、キャバリアーズ優勝の可能性は大きく高まる。