攻守が噛み合わないサンダー、チグハグな采配で完敗
サンダーが王手をかけて臨んだファイナル第6戦は、タイリース・ハリバートンが出場を危ぶまれるケガをしていたこともあり、サンダー優位と予想されていました。しかし、ベンチメンバーを活用するペイサーズが前半で22点リードを奪う展開となりました。
第6戦でも18得点の大活躍を見せたTJ・マッコネルに対し、何も対策を講じなかったサンダーは視線のフェイクに次々と引っ掛かり、ペイントアタックを許し続けただけでなく、チェット・ホルムグレンとアイザイア・ハーテンステインのツインタワーにもかかわらず、185cmのマッコネルにオフェンスリバウンドを奪われるなど、メンタルの面でも劣勢に立たされました。
ペイサーズのディフェンスは、シェイ・ギルシャス・アレクサンダーのジャンプシュートこそ止められませんが、シュートに行く前にダブルチームで囲んでボールを奪い、前半だけで5つのターンオーバーを誘発させてカウンターアタックに持ち込み、後方から一気にリングへ走り込むパスカル・シアカムがシュートをねじ込んでいきました。
一方的な展開となった前半においてもサンダーはシェイとジェイレン・ウィリアムズの両エースが31得点を挙げたのですが、それはチームオフェンスが機能していない証明でもありました。また、22点もの差が開く間にサンダーは修正もできなければ、そもそも3つしかタイムアウトを使っておらず、自分たちの危機的状況を認識できないまま傷口を広げてしまった感があります。
後半の立ち上がりは両チームともにシュートが決まらずに4分間無得点が続き、ハリバートンのレイアップが決まるとサンダーがタイムアウトを取ります。そこでのオフェンスの修正が上手くいかず、次の1分間で4得点を許すと再びタイムアウトを使いました。
点差が開いていく前半にタイムアウトでの修正を試みることなく、0-6のランの間に2つをコールするというチグハグさは、この試合でのサンダーの混乱ぶりを物語ります。
その後も守備的なラインナップでようやく点差を縮めたかと思えば、選手交代で流れを放棄するなどチグハグな対応が続き、第3クォーター終了時点で60-90と30点差。こうしてサンダーは早々に試合をあきらめることになりました。
ペイサーズはすべてが上手くいった試合となりました。6人が2桁得点を挙げており、20点オーバーはベンチスタートのオビ・トッピンのみのバランスアタックでした。それ以上にサンダーのプレーを読み切ったディフェンスが目立つ大勝となり、勝負は2016年以来の『GAME7』へと持ち込まれます。