写真=Getty Images

8位のチームが1位相手にスウィープすればNBA史上初の快挙

レギュラーシーズンでは負傷者の続出、チームケミストリーの構築が進まないなど不安要素ばかりが目立ったブルズだが、セルティックスとの東カンファレンス1回戦では2試合を終えて連勝スタートとリードしている。

第1シードのチームを相手に1回戦で2勝を先行した第8シードのチームは、今シーズンのブルズがNBAプレーオフ史上2例目。エースのジミー・バトラーの活躍はもちろんのこと、脇を固めるドウェイン・ウェイドなど『サポーティングキャスト』の働きは欠かせないものとなっている。

そのウェイドは、4月18日にTDガーデンで行なわれた第2戦でも、第4クォーターだけで決めた11得点を含む22得点の活躍を見せ、111-97での勝利に貢献。プレーオフ出場が微妙となったレギュラーシーズン終盤には、ヒジの骨折でシーズン終了と報じられたが、頼れるベテランの復帰がブルズを一つにまとめた要因であることは間違いない。

そのウェイドは、自らの役割を映画の脇役に喩え、『Chicago Tribune』に「助演男優賞が欲しい」と語っている。

「自分はサポート役。『助演男優賞』のオスカーが欲しいね。『主演男優賞』はジミーだ。俺とかロンド、それに他の選手はジミーをサポートする側。もし自分がチームを引っ張らないといけない時には、そうするまで。これまでのキャリアで常にそういう役割を担ってきているから問題ない」

そうは言ってもウェイドは、3度のNBA優勝歴を持つスーパースターだ。「今後も今と同じ役割を受け入れるとは言わない」と前置きしつつも、「でも、今の機会を楽しめている」と『助演男優』であることに同意している。

スターの競演は果たせなかったかもしれないが、『バトラーのチーム』という軸を作り、ウェイドやロンドが脇を固めることで、ブルズは安定感抜群のチームに変貌した。プレーオフ史上初となる1位チームを相手にスウィープ(4勝0敗での勝ち抜け)を達成する8位チームとなれるかどうかは、『サポーティングキャスト』と呼ぶには豪華過ぎるウェイドたちの働きにかかっている。