2試合続けて20点リードを逆転される痛恨の内容
現地7日、セルティックスはニックスとカンファレンスセミファイナルの第2戦で対戦。第1戦に続き20点の大量リードをひっくり返されるまさかの失速から90-91で競り負け、ホームで痛恨のシリーズ連敗スタートとなってしまった。
セルティックスは試合の出だしから文句なしの激しいディフェンスを披露。第1クォーターで24-13とするとそのままペースをつかみ、第3クォーター残り4分には70-50とニックスを突き放す。
だが、ここからセルティックスの悪夢が始まる。特に第4クォーター後半はまったくシュートが入らなくなり、残り8分半から6得点しか奪えず。残り2分に逆転を許すもなんとかくらいつき、残り19秒にはジェイソン・テイタムの豪快なダンクで1点を勝ち越したが、直後のディフェンスでファウルし、フリースローを2本決められ再逆転を許す。
残り12秒、セルティックスのラストオフェンスは直前のオフェンスと同じく、テイタムが自陣からボールを運んでアタックを試みるというものだった。しかし、これをニックスにしっかり対応され、苦しい体勢から放ったシュートはブロックされた。
この場面、セルティックスにはタイムアウトが残っていたが、使わずにオフェンスを開始した。ジョー・マズーラヘッドコーチは「うまくいった20秒前とまったく同じことを試みた。だが、彼らはゴール下のところでより良い対応をした。テイタムがダンクを決めた時のようなアドバンテージを得られなかった」と振り返った。
タイムアウトを取れば、セルティックスだけでなくニックスも対策をしっかり取ることができた。マズーラの判断が不適切だったと言い切ることはできない。ニックスの選手たちによる修正力がセルティックスを上回り、テイタムは苦しまぎれのシュートを打つしかなかった。
前を向くブラウン「盛り返すことはできる」
セルティックスのジェイレン・ブラウンは、20得点を挙げたがフィールドゴールは23本中8本成功のみ。19本中5本成功の13得点に終わったテイタムと共に不発に終わった。
「僕たちは第4クォーターに、シュートを決めることができなかった。ディフェンスは素晴らしく、フィジカルでエナジーにあふれていた。オフェンスが、僕たちをダメにしてしまった」
このように試合を振り返るブラウンは、2試合続けて20点リードを守りきれずに失速した理由を聞かれ、「確かなことはわからない」と語ったが、オープンシュートを決めきれずにリズムを崩した部分があったと続ける。
「第4クォーターに4本、5本と良い形でシュートが入らなかったことが影響したのかもしれない。全力を尽くしたけど、コントロールできていなかったことがいくつかあった。僕たちは少しペースが早すぎたり、イライラしてプレーしたかもしれない。酷い夜となってしまった」
ホームで連敗し、第3戦、第4戦はアウェー。崖っぷちに追い込まれたセルティックスだが、ブラウンは「息を大きく吸ってリラックスして、セルティックスのバスケットボールをするだけだ。ここから盛り返すことはできる」と巻き返しへ自信を見せる。
この会見で何度もブラウンは「良いシュートの形はたくさん作れていた」と語っていた。ブラウンの言葉通り、たまたまシュートが入らなかっただけならセルティックスの逆襲は十分にあり得る。しかし、欠陥があったのならこのまま一気に崩れてもおかしくない。
下馬評ではセルティックス圧倒的有利の声ばかりであり、元セルティックスの名選手ポール・ピアースは、自身の出演するスポーツトーク番組で試合前に「もし、セルティックスが第2戦に負けたら、明日は自宅からここまでバスローブを着て、裸足で24kmを歩いてくるよ」と豪語していた。
大きな衝撃となった連敗スタートから、果たしてセルティックスは立ち直ることができるのか。王者の底力が問われる。