カワイ・レナード&ジェームズ・ハーデン

落胆のカワイ・レナード「僕らの目標はここじゃない」

クリッパーズはナゲッツ相手にプレーオフのファーストラウンドで敗退した。それまでは互角の戦いを演じていたが、大事な『GAME7』で突然のブラックアウト。ジェームズ・ハーデンは7得点しか挙げられず、カワイ・レナードは22得点を挙げたものの、ナゲッツの勢いに飲み込まれるチームを救えなかった。

ハーデンは35歳で鮮やかな復活を果たし、カワイは1月にシーズン初出場をした後はケガなく走り抜いた。素晴らしいシーズンを送ったにもかかわらず、なぜこのタイミングで敗退するのか。2人とも茫然自失の表情だった。

敗退が決まった後、ハーデンは取材を受けることなくロッカールームから立ち去ってメディアを憤慨させた。カワイは「この結果をどう受け止めていいのか分からないけど、もっとやれたはずだ」と語った。「レギュラーシーズンでは良い仕事ができた。ここまでたどり着いたことに意味はある。ただし、僕らの目標はここじゃない」

それでもローレンス・フランク球団社長は「今は全員が落胆しているが、1カ月後にはこのシーズンに感謝し、誇りとともに振り返るだろう」と語る。「我々にはまだ次のレベルがあり、来シーズンにはそこに到達する。ハーデンは3番手の選手として加入したが、チームを引っ張る働きを見せてくれた。カワイのコンディションはさらに良くなる。彼の出場試合数が増えれば、チームの成熟はさらに進む」

イビチャ・ズバッツ、ノーマン・パウエル、デリック・ジョーンズJr.やニコラス・バトゥーム、アミア・コフィ―、ボグダン・ボグダノビッチ、ベン・シモンズといったローテーションのメンバーについても、フランク球団社長は「できる限り残留させたい」と継続路線を強調する。

「このチームにとって健康な状態を長く保ってシーズンを過ごせたことは素晴らしいが、それが一度きりのチャンスだとは思わない。我々は挑戦を続け、過去の過ちから学び、改善点を見いだして成長していく」

振り返れば、ポール・ジョージに見切りを付けられたのが今シーズンの出発点だった。膝のケガが長引いていたカワイ、年齢による衰えが指摘されたハーデンよりも計算できるジョージに去られたのは大きな損失だったが、『ピンチはチャンス』の言葉通り、残された選手たちがステップアップし、空いたキャップを使って契約したジョーンズJr.とクリス・ダンが大いに機能した。今オフも継続路線を取りながら、目立たなくても堅実な補強を目指すことになるだろう。

カワイはケガをするかもしれないし、夏には36歳になるハーデンが衰えを露呈するリスクは依然としてある。それぞれ1つずつ年齢を重ねる分、リスクはより高くなるとも言える。それでも、2024-25シーズンのクリッパーズは解体するには惜しいポテンシャルを見せていた。

この1年を通じてチームの戦いぶりを見てきた者なら誰でも、フランク球団社長の言葉にうなずくだろう。「我々にはまだ次のレベルがある。来シーズンにはそこに到達する」