健康問題により第一線を退く「変化を起こす時が来た」
現地5月5日、スパーズのグレッグ・ポポビッチが昨年11月に脳卒中で倒れて以降では初めて公の場に姿を見せた。
76歳のポポビッチは、スパーズのレジェンドであるティム・ダンカンとマヌ・ジノビリに付き添われて会見に登場。1996-97シーズン途中から29年間に渡って務めてきた指揮官の座から降り、球団代表としてスパーズに残る彼は、「私はもうコーチではない、ボスだ」と語ってジャケットを脱ぐと、スペイン語でボスを意味する『El Jefe』と書かれたTシャツを見せ会場の笑いを誘った。
ポポビッチは、指揮官を退く理由をこう語る。「私が脳卒中になって以降、多くの人々がチームのことを気にかけ、私のことを思って回復を祈ってくれた。それは本当にありがたく、体調は日に日に良くなっているが、私たちの計画を実行していくには十分ではない。だから変化を起こす時が来た」
またポポビッチは、「ティミーとマヌは、私がこのチーム施設でワークアウトをする時はいつも来てくれる」と、ダンカンとジノビリへの感謝を語った。彼らは私のことを愛し、病気に倒れた私を支えると言ってくれている」
スパーズのヘッドコーチは、暫定指揮官だったミッチ・ジョンソンに託される。ポポビッチが倒れた後、彼は指揮権を引き継いで32勝45敗の成績を残した。2019年からスパーズに在籍するジョンソンへの信頼をポポビッチはこう語る。「彼の采配は素晴らしいものだ。彼は選手に責任を負わせ、選手は彼を尊敬している。彼と家族、友人たちにとって、これ以上の喜びはない」
NBA史上に残る名将の退任はスパーズにとって大きな変化だが、ポポビッチはチームを去るわけではなく、これまでポポビッチとともにチームに成功をもたらした首脳陣は健在だ。ビクター・ウェンバニャマにステフォン・キャッスルと2年連続で新人王を輩出し、ディアロン・フォックスというエースも獲得した。
ポポビッチの姿がコートサイドで見られないのは残念だが、彼は引き続きスパーズを支える柱であり、将来性に満ちたチームの飛躍の時を見届けるつもりだ。