琉球相手に3勝1敗と勝ち越し「少しホッとしています」
4月27日、島根スサノオマジックはホームで琉球ゴールデンキングスと対戦。ゴール下の争いを制してペースをつかみ、77-68でレギュラーシーズンのホーム最終戦を白星で飾った。
アレックス・カークが欠場した琉球に対し、島根はニック・ケイとジェームズ・マイケル・マカドゥに加えて帰化選手のエヴァンス・ルークを同時起用して高さのアドバンテージを得る。193cmの脇真大、185cmの松脇圭志がマークするミスマッチを生かし、エヴァンスは前半で9得点と活躍。さらにはエースの安藤誓哉が快調に得点を量産する。第3クォーター開始から安藤を中心に10-0のランで島根はリードを20に広げ、早々に勝負を決めた。
安藤は3ポイントシュート6本成功を含む26得点、さらに4アシスト4リバウンドを記録。敗れた前日にはフィールゴール試投数自体が7本と少なく8得点に終わっていたが、今日は積極性を出していった。
「レギュラーシーズンのホーム最終戦を勝ちたいですし、良いプレーを見せたい。また、特に琉球さんには勝ちたかったといろいろな思いがあって、出だしからアグレッシブに行ってチームの流れを良くできればという思いでした」
これで島根はレギュラーシーズンの琉球との戦績を3勝1敗とした。安藤は「僕が島根に来てから今までレギュラーシーズンで勝ち越したことがなかったので、少しホッとしています」と語った。
「苦しい場面で勝ち切るための共通理解はまだまだ」
島根は貴重な得点源であるコティ・クラークが2月から戦線離脱となった約2カ月でなかなか勝てなかったが、4月18日に復帰して数試合の実戦を経験した上でチャンピオンシップに臨むことができる。これについて安藤は「彼のフィジカルやシュート力はチャンピオンシップで必要となってくるので、彼をどれだけ生かせるかが大事です」と期待を寄せる。
また、勝ち星が伸びなかった時期も、安藤は「苦しくはなかったです」と語る。「アレックス・マーフィのアジャスト力にはリスペクトしていました。彼は島根に今まで足りなかった軽やかさをすごくもたらしてくれました」と、クラークの代役として在籍していたマーフィーから得たものは大きかった。
島根はチャンピオンシップを逃した昨シーズン終了後、安藤との二枚看板だったペリン・ビュフォードを放出するなど大きなテコ入れを実施。安藤に加えてケイ、クラーク、マカドゥの外国籍トリオ、津山尚大、エヴァンスなどオプションが豊富になり、より多彩な攻めができるチームとなった。
それでも安藤は、「今日はしっかりチームとしてやるべきプレーを徹底できましたが、試合によってばらつきがあります。そこが一番の課題だと思います」と現状に満足していない。
「どうしても呼吸が合わない時間帯があるので、そこで僕がオーガナイズするのか、津山の力を借りるのか、ここぞという苦しい場面で勝ち切るための共通理解はまだまだです。自分で打開する準備もしておかないといけない。今もどうしていくべきか模索中というか、考えています」
チャンピオンシップを控えて地元メディアが集まる中、クォーターファイナルでも対戦する琉球を撃破しているのだから、強気のコメントで雰囲気を盛り上げることが求められていたのかもしれない。だが、安藤は自分が感じていることをそのまま語った。
それはチャンピオンシップで完全燃焼し、何としてでも結果を出したいとの思いがあるからだ。「加入1年目はチームとして出し切ることができました。それが2年目以降はできていません。しっかりと出し切って、それでどうなるのか」
在籍4年目の今シーズン、安藤はチームのポテンシャルすべてを引き出してチャンピオンシップを迎えるため、レギュラーシーズンの最後までさらなる改善を追い求めていく。