31得点21リバウンド22アシスト、NBA初の『30-20-20』
ニコラ・ヨキッチは自分の偉大なパフォーマンスについてのコメントを求められた際に、「いずれロッキングチェアに揺られて孫たちに話すよ」とはぐらかすことが多い。次の試合への集中を保つためか照れ隠しなのか(おそらく両方だ)、自分の手柄を語るのが好きではないのだ。
現地3月7日のサンズ戦で31得点21リバウンド22アシスト、NBA史上初の『30-20-20』を達成した試合後、記者が先手を取って「今日のこともいずれ孫に話すんだろう?」と言うと、ヨキッチはニヤニヤと笑いながら「ちょっと数字を盛る。40点を取ったことにして『40-20-20』と嘘を教えるよ」と答えた。
ただ、今回は照れ隠しではなく本音として、試合運びに反省すべき点が残った。最大21点のリードを奪う楽勝の展開から猛追を浴び、第4クォーター残り1秒でクリスチャン・ブラウンの3ポイントシュートが決まり3点差と突き放したにもかかわらず、ケビン・デュラントをフリーにする信じられないミスで3ポイントシュートを決め返され、レギュラータイムで決着をつけることができなかった。
ヨキッチは素晴らしいプレーを見せたし、他の選手も彼の作り出すチャンスを確実に決めたことでヨキッチはキャリアハイを更新する22アシストを記録し、チームではフィールドゴール成功57本に対して45アシストをつける素晴らしいスタッツを残したが、守備はボロボロだった。
「最高の試合だったはずが、途中からすべてが上手くいかなくなった。正直なところ、どんな言葉で説明したらいいか分からないんだけど、そのままにしておくわけにはいかない」とヨキッチは言う。
本来であればディフェンスとリバウンドで流れを引き寄せたチームが試合を制するものだが、この試合ではサンズもナゲッツも守備でのミスを攻撃で取り返そうとし、ずっと『前輪駆動』で走り続けた。延長も24-16と両チームの守備は締まらないまま。課題の多い試合展開だったが、ナゲッツを率いるマイケル・マローンは「延長の5分で24得点も取るなんて素晴らしいじゃないか。第4クォーターも相手守備の動きを読み、素晴らしい遂行力を見せた」と言った。
悪い部分に目を向けたら、せっかくの勝利が台無しになる。修正すべき点はいずれ手を付けるとして、メディアの前ではヨキッチを始め選手たちの功績を称えようとする気遣いが指揮官からは感じられた。
マローンは「史上初の『30-20-20』を達成した選手を称える表現が見つからないよ。ただただ信じられない。このリーグには素晴らしい選手がたくさんいるが、私に言わせればニコラは別格だ。それに17のディフェンスリバウンドに3つのスティール、スタッツには残らないピック&ロールに対する守備まで素晴らしかったことを付け加えたい。みんな彼の守備を過小評価するが、それはとんでもない間違いだ」
「難しい展開でも選手たちは努力し続けたし、もう少しで負けてしまう状況でも落ち着きを保って、何とか勝つことができた。これでオーバータイムでは5勝だ。一息入れて、サンダーとの連戦に臨むとしよう」