パリ五輪前の合宿以来の代表参加

『FIBA アジアカップ 2025 予選 Window3』に挑むバスケットボール男子日本代表チームは、2月20日に中国代表、23日にモンゴル代表と対戦する。フレッシュなメンバーが集められた今ウィンドウでの活躍が期待される選手たちの、これまでの経歴やプレースタイルを紹介する。

■金近廉(かねちか・れん/千葉ジェッツ/SF/196cm88kg)

大阪府出身、21歳のスモールフォワード。関西大学北陽のエースとしてウインターカップで派手なダンクを連発して注目を集めると、東海大2年時の2023年2月に日本代表デビューを果たし、同年4月には東海大を退学し練習生として千葉Jに加入。プロ1年目の2023-24シーズンにBリーグの新人賞を受賞し、今シーズンは37試合に出場し、平均20.21分のプレータイムで6.0得点、2.3リバウンド、0.8アシストを記録している。

期待すべき若手の一人ではあるが、2023年のワールドカップにも昨年のパリオリンピックにも12名のロスターから外れている。昨年11月のWindow2の強化合宿にも招集されず、今回がパリ五輪前の合宿以来の代表参加となった。渡邊雄太や比江島慎といったベテランはもちろん、原修太や須田侑太郎といったBリーグ屈指のウイング陣との競争に勝つのは簡単ではない。千葉Jでもここまで絶対的な主力になりきれていない。

196cmのサイズがあって3ポイントシュートを得意とし、非凡な身体能力を備えた大型ウイングの金近に求められるのは安定感の向上だ。思い切り良くアタックし、シュートを放つのが魅力ではあるが、それが上手くいかない時に別の部分でどれだけチームに貢献できるかが問われる。千葉Jではシーズン中盤からケガ人が続出する中で、金近が存在感を示す試合が増えつつある。今回の代表ではベテランが不在で、これまで以上にチャンスがあるはず。逆にここで期待外れに終わるようなら彼の代表での立場は大きく後退することになる。

それでも金近は自分の力を試す機会に気合い十分で臨むはず。これまでの悔しさを糧にオフェンス、ディフェンスの両方で自らのポテンシャルを発揮しつつ、安定感の部分で成長を示すことができれば、日本代表に良い結果をもたらすに違いない。