カイリー・アービング

アメリカ代表としてリオ五輪で金メダル獲得

マーベリックスのカイリー・アービングが、オーストラリア代表でのプレーを望んでいることがわかった。

32歳のアービングはオーストラリアのメルボルンで生まれ、同国の市民権も持っている。ただ、2014年のワールドカップ、2016年のリオ五輪でアメリカ代表としてFIBA国際大会に出場した経験があるため、オーストラリア代表となるためには、アメリカバスケットボール協会とFIBA、双方の承認を得る必要がある。

オールスターゲームでのメディア対応において、アービングは「今はプロセスの途中であり、オーストラリア代表としてプレーするための最善のルートを探っているところだ。たくさんの書類の手続きが必要で、まだアメリカ側は決定を下していない。僕にとってはベストを尽くすだけだ」と現状を語る。

そしてアービングは、オーストラリア代表への強い想いを続ける。「正直に言って、キャリアの中で一度は『オージー』として、オーストラリア代表でプレーできれば最高だよ」

アービングは、10代の頃にもオーストラリア代表でのプレーを目指したことがあった。ただ、その時は在学していたデューク大の名将マイク・シャシェフスキーに止められたというエピソードを明かしたこともある。

オーストラリア代表は東京五輪で銅メダルを獲得したが、その後はワールドカップ202310位、パリ五輪でベスト8敗退と上位に食い込めない状況が続いており、ジョシュ・ギディー、ダイソン・ダニエルズという若手ガードとジョック・ランデールらが中心となって立て直しを図っている。これまでの同国代表にはない圧倒的な個の打開力を持つアービングが加われば、大きな戦力アップとなる。

アービングがアメリカ代表としてプレーしたのは前述の通り2014年と2016年で、次回のロサンゼルス五輪で彼が代表に選ばれる可能性はほぼない。ただ、ぶっちぎりの金メダルとはならなかったパリ五輪が示すように、ベストメンバーでもアメリカ代表が圧倒的な強さを示せる時代ではない。

果たして、アメリカバスケットボール協会はアービングの希望を叶えるのか、それとも敵に塩を送る行為として拒否するのか。どのような選択を下すのか、非常に興味深い。