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素材は超一流、今の好調をどこまで維持できるか
開幕8勝1敗とスタートダッシュに成功したサンズだが、勢いがあったのは序盤だけ。2月に入るとケガ人の影響も出て、ここ7試合で1勝6敗と失速し、26勝28敗と勝率5割を切ったままオールスターブレイクを迎えた。
トレードデッドラインで何らかのテコ入れがあるかと思われたが、結局は1月途中から構想外となっていたユスフ・ヌルキッチをトレードで放出し、ホーネッツからコディ・マーティンとバシリエ・ミチッチを獲得。1月中旬に行ったホーネッツからのニック・リチャーズ獲得と合わせても地味な動きに留まった。
このままだとプレーイン・トーナメント出場すら逃しかねない。この停滞した状況に変化をもたらす起爆剤として期待したいのがボル・ボルだ。NBAキャリア6年目の25歳、221cmのサイズと機動力を備えたビッグマンであるが、荒削りな部分と故障の多さからNBAで安定した出場機会をつかめず、これまでの自己ベストはマジックに所属した2022-23シーズンの70試合出場、平均9.1得点、5.8リバウンドだ。
サンズには昨シーズンから在籍しているが、1年目は43試合出場で平均5.2得点、3.2リバウンドと低調な内容で、今シーズンはほとんど出番がない状態だった。それが故障者など複数の要因があるにせよ、現地2月7日のジャズ戦で24分出場12得点3ブロックを記録。そこから3試合連続で30分以上のプレーを得て、ナゲッツ戦は19得点7リバウンド4ブロック、グリズリーズ戦は18得点14リバウンド4ブロック、ロケッツ戦は15得点4リバウンド2ブロックと活躍している。
サンズの指揮官マイク・ブーデンフォルツァーは、ここ数試合に渡ってボル・ボルのパフォーマンスを絶賛している。「チームメートの信頼が彼の力になっている。彼はとても物静かで、内に自信を秘めている」と評している。
ボル・ボルは、このところの好調について「試合に出てハードにプレーし、シュートを打つだけ。チームメートやコーチが僕にシュートを打てと言ってくれる。それによって自信が生まれている」と周囲のサポートに感謝している。
指揮官が語るように、ボル・ボルの課題はオールスターブレイク明け後にも今の勢いを維持できるかだ。それができた場合、ケビン・デュラント、ニック・リチャーズと一緒にプレーすることで、高さとリーチの長さ、機動力を備えた3人が揃うことによる守備力の強化、トランジションでの迫力あるアタックが期待できる。
高さとウイングスパン、ハンドリングもシュートスキルもあって、しなやかな動きまで兼ね備えた素材は間違いなく一流だが、それを試合の状況に合わせてどう組み合わせていくかの都度の判断力がボル・ボルの課題だ。これまで何度も浮上の兆しは見られたが、そのたびにケガでリズムを失ってきてもいる。そのボル・ボルがここに来てその稀有な才能を開花させることができたなら、八方塞がりの感もあるサンズにとって救世主になるかもしれない。