「自分のベストを尽くし、希望を持ち続ける」
セブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、現地2月9日のバックス戦で27得点12リバウンド6アシストの活躍を見せたが、ヤニス・アデトクンボが欠場しながらもデイミアン・リラードが43得点を記録したバックスに127-135で敗れた。
エンビードは左膝のケガが長引き、これが今シーズンようやく16試合目の出場。このケガを負ったのは昨年1月末で、昨シーズンのプレーオフに間に合わすべく2カ月の戦線離脱を経て復帰したものの、満足に走れない、跳べないというコンディションで本来の力を発揮できず、プレーオフではニックスとのファーストラウンドに敗れた。
パリオリンピック出場を経て、今シーズン開幕からプレーできる見込みだったが、そうはならなかった。当初はバック・トゥ・バック(2試合連続の試合)の2試合目のみ欠場することが予定されるも、それよりはるかに多くの試合を休んでいる。
『ESPN』はエンビードが再び膝の手術を行う可能性があると報じた。バックス戦を終えたメディア対応でエンビードは「何か問題があれば対処しなければならないが、それが何になるのかは分からない。あらゆる選択肢を検討しているところだ」と、その可能性を否定しなかった。
その数日前には「家族を始め、いろんな人に後押しがあるおかげで『頑張ろう、前に進もう』というモチベーションを持ち続けているけど、正直タフだよ。自分のベストを尽くし、希望を持ち続けて、この時期が過ぎ去るのを待っている」と弱音を吐いていた。
また、トレードデッドラインが過ぎたタイミングでダリル・モーリー球団社長が会見を行っている。本来は補強について説明する場だが、実際はエンビードの状態と今後の展開に質問が集中した。「世界トップクラスの専門家たちが『時間をかければ改善する』と診断している。実際、完治に近い状態には何度も近付いているが、このケガは腫れと痛みを管理するもので、それが起きた場合は出場を見合わせて様子を見ることになる。予想より回復が遅れているが、ジョエルはケガを治すために全力を尽くしているし、コートに立ってプレーしたいと願っている」
シクサーズはこれで20勝32敗で、プレーイン圏外の東カンファレンス11位に沈んでいる。エンビードは昨年夏に3年1億9300万ドル(約290億円)の契約延長を結んだばかり。サラリーキャップの縛りが厳しくなった今のNBAでは、大型契約を結んだ選手がケガで稼働できない状況はチームの失敗に直結する。
もし彼が再び手術に踏み切るのであれば、タイミング次第ではあるが今シーズンか来シーズンを無駄にすることになる。膝は消耗品であり、完治してもケガ前のパフォーマンスが戻るとは限らず、今30歳のエンビードはやがて衰えていく。エンビードの契約は彼が34歳になる2029年まで。シクサーズがエンビードを擁して優勝を狙えるチャンスは何回訪れるのだろうか?
エンビードとの契約延長についてモーリーは「当時は正しい判断だと考えていたし、今もそう考えている」と言う。「将来的には症状が軽減される、理想としてはゼロになるはず。ただ、まだその途中なんだ。ウチが優勝するにはジョエルが必要だ。その考えには何の変わりもない」
3️⃣5️⃣ combined points in the first quarter of play from this duo: pic.twitter.com/8BMSj1y9Je
— Philadelphia 76ers (@sixers) February 9, 2025