奇しくも両者は対戦中、マーティンは荷物を抱えて移動
ルカ・ドンチッチの放出という衝撃の大トレードを実施したマーベリックスが、新たなトレードを実施した。セブンティシクサーズからケイレブ・マーティンを獲得し、クエンティン・グライムスと2025年ドラフト2巡指名権を放出している。
29歳のマーティンは、ホーネッツを経て過去3シーズンにわたってヒートに在籍。特に2022-23シーズンはシックスマンとして、プレーオフで23試合出場、平均30.2分、12.7得点、5.4リバウンドの活躍を見せ、ファイナル進出に大きく貢献。今シーズン開幕前に4年総額3500万ドルでシクサーズに加入すると、ここまで31試合出場、平均30分以上のプレータイムで9.1得点、4,4リバウンド、2.2アシストと主力の一員を担っていたが、複数年契約の1年目すら全うすることなく移籍となった。
マーベリックスは、先発スモールフォワードとして昨年のファイナル進出に貢献したデリック・ジョーンズを引き留められず、スモールフォワードの代役としてナジ・マーシャルを獲得。マーシャルはここまで37試合出場で平均10.7得点、3.6リバウンド、2.5アシストを記録しているが、30.8%と低調な3ポイントシュート成功率を含め、攻守に渡り期待通りのパフォーマンスを見せているとは言いがたい。
マーティンは本職の3番に加え、ヒート時代にはスモールラインナップでの4番ポジションでも光るプレーを見せていた。両ポジションをこなし、フィジカルの強さを生かしたディフェンスと3ポイントシュートでの貢献が期待される。
一方、24歳のグライムスは7月にティム・ハーダウェイJr.が絡んだトレードでピストンズから加入。ここまで47試合出場で平均22.8分出場、10.2得点、3.8リバウンド、3ポイントシュート39.8%と、ニックスとピストンズで過ごした過去3シーズンとは違う選手へと成長していた。
しかしマーベリックスは、ルカ・ドンチッチを放出したトレードでアンソニー・デイビスとともに21歳の若手ガードであるマックス・クリスティーを獲得。クレイ・トンプソンの控えシューティングガードとしてポシジョンが被る中、首脳陣はクリスティーを優先的に起用することを決め、グライムスを構想外にしたと考えられる。
興味深いのは、このトレードが現地2月4日のシクサーズvsマブスの試合前に発表されたこと。ケイレブはシクサーズのロッカールームで仲間と別れの挨拶をかわした後、すでに自分ではなく『クエンティン・グライムズ』のプレートが貼られたロッカーから自分の荷物を取り出し、ビジター用のロッカールームへと移動して新たなチームの一員になったという。
グライムズも同様で、午前中のシュートアラウンドまではマブスの一員だったが、アリーナに着いた時にはシクサーズの選手になっており、試合前のウォーミングアップにはシクサーズの一員として新しい仲間のサポートに回った。