世界へ挑戦し金メダルを狙う日本代表、髙田真希が語る「キャプテンの責任と喜び」

2019/04/26
日本代表
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髙田真希

「自覚や責任、そういうところから引っ張っていきたい」

バスケットボール女子日本代表は、いつしか髙田真希のチームになった。今回、26人の代表候補とともに始動したチームで、2年連続となるキャプテンに指名された髙田は、意気込みをこう語る。「いよいよ始まるって気持ちで、キャプテンにも任命されたので、しっかり役割を果たしたい。「日の丸を背負う自覚や責任を、自分もそうですし、選手みんなに持ってもらいたい。そういうところから引っ張っていきたい」

責任感と覚悟と向き合う姿勢は、髙田が持つ優れたキャプテンの資質だ。とはいえ、チームを支える中堅の頃からスタンスは変わらない。今回の代表活動スタートに際しても「いつもと変わらず、毎年同じような感じです」と言う。

「そこまで気負うことはないですが、ただ昨年や一昨年には代表活動の中で『ここはもっとやらなきゃ』とか『ここはこうできる』というところがたくさん見つかっているので、より良くしたいとは思っています」

もっとも、各チームから様々な個性を持った選手が集まる代表を束ねて引っ張るのは簡単ではない。リオ五輪でベスト8という好成績を残した後、自国開催のオリンピックに向けて期待が高まれば、それだけプレッシャーもある。代表で最も経験がある髙田は、その責任感と覚悟も相まって、期待と重圧を一番に背負うことになる。

髙田真希

「キツくても頑張ろうと思えるぐらい楽しかった」

吉田亜沙美が代表から外れてキャプテンとなった昨夏のチームでは、リオ五輪では大崎(間宮)佑圭と渡嘉敷来夢の3人で回していたインサイドの重責を一手に担い、ほぼフル出場する試合がずっと続く上に、若い選手たちを引っ張る必要もあった。

これで結果が出ていれば良いが、同じアジアの中国に敗れて8強進出を逃している。あの経験は相当キツかったのではないだろうか? 「そうですね、キツい時もありましたけど……」との答えが返ってくるが、その表情は晴れやかな笑顔だった。

「やっぱり去年は試合をやっていて楽しいというのが一番でした。オフェンスではプレーの幅が広がったことがあります。ディフェンスでは2メートルの選手を守らなきゃいけなくてキツいんですけど、そこはチームディフェンスなので。自分だけじゃなく他の選手もインサイドを守って走るスタイルで、キツくても頑張ろうと思えるぐらい、やっていて楽しかったです。それがなかったらキツかったと思いますが、やっていてキツいとは感じませんでした」

だからこそ今年の代表でも、自国開催のオリンピックだという気負いはなく、自分たちのやるべきことを冷静に見ることができる。「金メダルを狙うとなれば難しいこともたくさんありますが、今のままでは確実に取れないと分かっているので、それをここからどうにかしないといけないです」。重圧を背負いながらも、前向きに目の前の課題に取り組むことができるのが、髙田という選手の強さだ。

髙田真希

「これが日本のバスケットだ、というのを見せたい」

2016年のリオ五輪は、吉田、間宮、髙田、渡嘉敷という主力級が揃って全盛期を迎え、司令塔の吉田が牽引するトランジションバスケットは世界を驚かせた。あのチームは日本の女子が目指すバスケットの一つの完成形だとすれば、今のチームはそれを超えることができるだろうか?

今の日本代表はリオのチームをベースとしながら、選手の約半数を入れ替えつつ2017年のアジアカップと2018年のワールドカップを戦う中で、バスケットボールのスタイルは変化している。

「日本の持ち味であるトランジションをより強くしながら、パッシングが加わりました」と髙田は今の日本代表のスタイルを説明する。「インサイドも外でスペーシングを取って、空いていれば積極的に3ポイントシュートを打つのが形になってきています。そこから自分がドライブで行くのがチームのバリエーションになりました。そういったハーフコートでのパッシングゲームは、リオの時から増えた武器です」

この形こそ、髙田がキツさを忘れて没頭できるスタイルだ。このチームバスケットに磨きを掛けながら、個々のレベルアップを図る。昨夏のワールドカップを終えて、髙田は一人ひとりの判断力、高さがある相手に対抗する技術が足りないと指摘していた。アジアカップの開催地と時期がいまだ決まらないので準備がしづらい面はあるが、チーム稼働初日で課題が分かっていることは間違いなくプラスだ。

まずは水戸でのベルギーとの2試合に髙田は照準を合わせて合宿を続ける。「世界の強豪と戦うチャンスはなかなかないし、日本で代表のバスケットを見せるチャンスもないので、自分たちが一番ワクワクしています。応援してくださる方も、間近で見てほしいです。来年のオリンピックに向けてですけど、今年の最初として『これが日本のバスケットだ、女子のバスケットだ』というのを見せられるように頑張ります」