ドノバン・ミッチェル

2年目とは思えないリーダーシップ

あとがない状況で迎えた4月22日のファーストラウンド第4戦、ジャズはドノバン・ミッチェルが第4クォーターだけで19得点、試合を通じて31得点をあげて107-91で勝利し、ホームでのスウィープを免れた。

称賛されて当然のパフォーマンスでチームを救ったミッチェルだったが、試合後のインタビューに応じ、そして会見にも出席した彼の言葉は、自身のパフォーマンスについてではなく、チームメートに向けられた。

試合終了後のインタビューでは、「自分のことは忘れてもらいたい」と語り始めると、前半だけでフィールドゴール8本中6本の18得点を決めたジェイ・クロウダーを称賛した。

「ジェイ・クロウダーが必死にプレーしてくれた。シリーズを通じてチーム全体がシュートの不調に苦しんでいる。それでも彼は準備を整えていた。僕たちは、彼に続いただけ。彼がチームのハートであり、魂だったよ」

勝負どころの第4クォーター終盤に、デリック・フェイバーズに代わってベンチに下げられたルディ・ゴベアだったが、「デリックは優れた選手。彼なら、大半のチームではスターター。僕もプレーしたかったけれど、彼は素晴らしかったし、何よりも大事なのはチームの勝利。長いシリーズでは、チーム全員の力が必要」と、起用法を受け入れた。すると、ミッチェルは「ちょっといいかな?言わせてもらいたいことがある」と割って入り、こう続けた。

「オールスター級のセンターで、彼のようなことを言える選手はそうはいないよ。彼の言葉に、みんなが耳を傾けるべきだ。オールスター級のセンターで、彼のようなことを言える選手は限られている」

そしてチーム最多となる11アシストを決めたリッキー・ルビオについて聞かれると、第4戦に並々ならぬ決意を持って臨んだ司令塔を称えた。

「今日のリッキーからは、笑顔が見られなかった。普段の彼はハッピーな雰囲気を出すのに、今日の試合にかけていた気持ちが伝わってきた。トランジションでジェイを見つけてパスを出して、試合をコントロールしてくれた。試合を重ねるごとに良くなっている。もし彼がいなかったら、ジェイも、自分も、本来のプレーを発揮できなかった。彼のペースアップとコントロールは、試合に勝つ上で大きかった」

2年目ながらもベテランのようなリーダーシップを発揮しているミッチェルこそ、チーム一丸となって戦うジャズの象徴だ。あとがない状況に変わりはないが、もしジャズがヒューストンでの第5戦でも第4戦のようなプレーができれば、シリーズが長引く可能性もゼロではないはずだ。