「みんな僕が何をするためにいるのか理解している」
現地1月14日、キングスはバックスに115-130で敗れた。この結果、連勝は7でストップしてしまったが、昨年末から暫定ヘッドコーチとして指揮を執るダグ・クリスティの下、チームの状態は良くなっている。
現役時代のクリスティは、NBAで15シーズンに渡り通算827試合出場という見事な実績を残したトッププレーヤーだった。高いバスケIQを生かした洗練されたプレーと、粘り強いディフェンスを武器にした玄人好みする選手で、そのキャリアの全盛期は2000-01シーズンから4年半に渡って在籍したキングス時代だ。
この時のキングスは、クリス・ウェバー、ペジェ・ストヤコビッチ、マイク・ビビー、ブラデ・ディバッツにボビー・ジャクソンといった実力者たちが揃い、2002年のカンファレンス決勝を含む4年連続でカンファレンス準決勝へと進出。同時期に君臨していたコービー・ブライアント、シャキール・オニールを中心としたレイカーズの牙城を崩すことができず、NBAファイナルには到達できなかったが、個性豊かな選手たちによる魅力的なバスケットボールで一時代を築いた。
だからこそ、クリスティの暫定ヘッドコーチ就任はオールドファンから大きな注目を集めた。そしてクリスティも、当時のメンバーと今も深い絆で繋がっていると明かす。
「マイクは先日のヒート戦の当日、午前中に僕が仕事をしている時にひよっこりと顔を見せに来てくれた。ウェバーとボビーは何度もメールをくれている。ペジャやブラデも内容は言えないけどメールをくれた」
そしてクリスティは、「彼らに対しては愛しかない。彼らがいなければ、僕はこの会見の場にいないから」と続ける。
「みんな、僕が何をするためにいるのか理解していると思う。だから、みんなが僕に連絡をくれた。僕のためではなく、まずはチームのため、この街、この組織のためだ。このチームは、自分たちがあと一歩で成し遂げられなかったことの達成を目指している」
このあと一歩で成し遂げられなかったのは、NBAファイナル進出だ。20勝20敗の勝率5割からどこまでチームを浮上させるのか、クリスティの手腕が楽しみだ。