プレーオフ展望vol.4ナゲッツvsスパーズ ホームに強い両者、敵地で価値ある1勝を

2019/04/13
NBA&海外
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ニコラ・ヨキッチ

文=神高尚 写真=Getty Images

百戦錬磨のポポビッチはナゲッツをどう攻略する?

多くの若手が成長して素晴らしいシーズンを過ごしたナゲッツと、長くチームを支えたメンバーに代わりデマ-・デローザンとラマーカス・オルドリッジを中心にチームを立て直したスパーズの対戦は、ともにホームで大きく勝ち越しているチーム同士の顔合わせになりました。西カンファレンスでプレーオフに進出した8チームのうちアウェーで負け越しているのはナゲッツとスパーズだけ。『内弁慶』同士のファーストラウンドです。

シーズン中の対戦成績は2勝2敗。もちろんお互いにホームでの試合を制しているので、ホームコートアドバンテージを持つナゲッツが有利と言えそうです。ただ、6年ぶりのプレーオフとなるナゲッツに対し、22シーズン連続でプレーオフに駒を進めるスパーズでは、経験値に大きな差があります。たった1試合のアドバンテージで十分なのか。アウェーに弱いナゲッツとなれば、百戦錬磨のグレッグ・ポポビッチは「ホームでの3試合を堅実に勝ち、アウェー4試合のどこかで一つ勝てば良い」と、アップセットを狙うにも心理的に余裕を持てそうです。

スパーズがホームで強みとするのはディフェンス。ホームとアウェーで得点は2点増えるだけですが、失点は8点も減ります。エースキラー役だったデジョンテ・マレーがケガでシーズンを棒に振ったことで苦労しましたが、ホームになれば熱狂的なファンの後押しを受けてか、しっかりと守れるようになるのです。

特徴としては、ホームになるとペイントエリアでの失点が5点近く減少し、またディフェンスリバウンドをしっかりとキープするなど、インサイドのカバーリングが強く意識されます。逆にオフェンスリバウンドは減少しており、ホームではギャンブル的な要素を排除し、堅実なディフェンスを優先した戦い方をします。それはアウェーではギャンブル要素で勝利を目指していると言い換えることもできそうです。アウェーでの1勝を目指し4試合それぞれにギャンブル要素を含んだ作戦を準備してくるかもしれません。

ヨキッチ中心のパッシングゲームvsスパーズの対策

ナゲッツはホームになると攻守で劇的に良くなります。本拠地のデンバーは『マイル・ハイ・シティ』と呼ばれる高地だけに、対戦相手からするとスタミナロスが大きく、ボールと人が絶えず動き回るナゲッツのオフェンスに耐えきれなくなるのです。特に試合の後半になると失点が激減しており、前半を互角以上で戦うことができれば勝利はグッと近づきます。ベテランが多いスパーズが相手だけに、ホームでの試合は前半で大量ビハインドを背負いさえしなければ、若いナゲッツがスタミナで上回ると考えていいでしょう。

またホームコートアドバンテージを持っているだけに、ナゲッツからしてもアウェーで1勝さえすれば一気に突破の可能性が高くなります。アウェーゲームでの課題となるのは前半のディフェンスで、ミスから速攻で簡単に失点するパターンが増える傾向があります。緊張感のあるプレーオフだけに、より慎重なオフェンスを展開する必要があります。若さで一気に攻め立てたいのをグッとこらえ、必要であれば堅実なプレーに徹するメンタルの強さが求められます。

最大の注目選手は敵将ポポビッチも絶賛するニコラ・ヨキッチ。ポイントセンターの概念を作り上げた24歳は勝負強さも兼ね備え、ナゲッツを安定して勝てるチームに引き上げました。魅惑のパッシングゲームを作り出すヨキッチに対し、スパーズがどんな対策をしてくるのか。ミスを減らすことがキーになりそうなシリーズだけに、ヨキッチの読めないプレーが勝つか、スパーズの分析が上回るか、プレーオフならではの駆け引きを楽しめそうです。