ライジングゼファーフクオカ

文=鈴木健一郎 写真=古後登志夫

今月中に資金調達ができなければB2にも参加できず

昨日、Bリーグは2019-20シーズンのクラブライセンス交付の第2回判定結果を発表した。

ライジングゼファーフクオカは「停止条件付でのB2ライセンス交付」。つまり、この時点でB1ライセンスが取得できないことが決まり、現在B1を戦うチームは成績に関係なくB1から降格することになった。Bリーグの大河正明チェアマンからは「もともとB1ライセンスを持って今シーズンを戦っていたが、主要なスポンサーからの資金援助が来シーズン以降も得られる可能性がなくなった」との説明があった。さらには現時点でメインスポンサーからの入金遅れ、未払いが発生していることも明かされている。

同日、福岡でも会見が行われ、神田康範社長が「このような結果になってしまったのは代表である私の責任」と頭を下げた。

「B1ライセンス獲得すべくリーグから要求されていた書類、資金準備を進めておりました。しかし、確定していた資金の入金が期限までに成されず土壇場で条件をクリアできない状況に陥りました。その時点でB1ライセンスが非常に厳しい状況に陥りました」

「判定内容としては、4月29日までに今年度足りない資金である約1.8億円を最低限集められないとB2ライセンスの交付も取り消しという厳しい内容です。具体的な資金調達方法としては、株の売却による資金確保がメインとなると思いますが、その他増資、借り入れなども同時並行で検討してまいります。チーム存続をかけて、本課題に取り組み、福岡の公共財となるチームを再度目指していけるよう全力を尽くす所存でございます」

今期の不足が想定される1億8000万円を4月29日までに確保できなければ、B2ライセンスの交付も認められない。2016年のBリーグスタート時にB3に振り分けられた福岡には、川崎ブレイブサンダースから山下泰弘、栃木ブレックスから小林大祐と、B1優勝を狙えるチームの選手が「地元である福岡のために」と馳せ参じ、彼らを中心に一丸となって2年連続昇格でB1の舞台へと上ってきた。福岡は過去に経営面のトラブルも多数あったクラブだが、この2年は無事にライセンス交付を受け、多くのクラブが課題とするアリーナについても、昨秋にB1要件を満たす新設の照葉積水ハウスアリーナがオープンしていた。

今年2月2日のアルバルク東京戦では5618人を集め、『バスケ王国』福岡で存在感を強めていた矢先の出来事。1億8000万円の資金調達の目処は立っていないとのこと。神田社長の言葉どおり、ここからはフロントが「チーム存続をかけて」B2ライセンス交付のために動くことになる。

一方のチームはと言えば、残留プレーオフにも出場できないことが決まり、今シーズンのラスト5試合は消化試合となってしまった。選手にとってはチームのことより、それぞれの身の振り方を考えなければいけない状況だが、福岡の再建は今夜の照葉でのホームゲームから始まるとも言える。ここでプライドを示す戦いを見せてもらいたい。