ジェイソン・テイタム

「正しいプレーができたことを誇りに思うよ」

2024-25シーズンのオープニングゲームを飾ったセルティックスvsニックスは、第1クォーターから43得点を奪ったセルティックスの攻撃力が爆発して、第3クォーター終了時点で113-87と早々に決着を付け、最終スコア132-109の大勝となった。

そのパフォーマンスは昨シーズンのプレーオフで圧倒的な強さを見せたセルティックそのものだった。緩みのないディフェンスでニックスの攻めにズレを作らせず、タフショットに追い込んではリバウンドから速い展開に持ち込み、どの選手も3ポイントシュートを打てる強みを生かす。最終クォーターこそ失速したものの、第3クォーターまでにセルティックスの3ポイントシュートは45本中26本成功、57.8%と『超』が付く高確率で決まった。

そのオフェンスを牽引したのは、37得点を挙げたエースのジェイソン・テイタムだ。フィールドゴール18本中14本、3ポイントシュートは11本中8本と『超』が付く高確率で沈め、なおかつアシストも10を記録してターンオーバーはわずか1。チーム全体が効率良くプレーする中でも、テイタムの出来は突出していた。

3ポイントシュートの好調ぶりについて「別に驚きはないけど、最後の8分間で外し続けたことには驚いている」と苦笑し、こう続けた。

「優勝リングを手に入れ、優勝バナーを掲げるのは僕らの多くにとって初めての経験だ。そして開幕戦で強敵を相手に、気持ちを新たにして臨んで素晴らしいプレーができた。正しいプレーができたことを誇りに思うよ。優勝セレモニーで新たなシーズンを始められるのは素晴らしい。次のウィザーズ戦の準備をしなきゃいけないけど、今夜はお祝いをしたいと思う」

指揮官ジョー・マズーラはさらに頑固で、優勝セレモニーのためにTDガーデンに集まった大観衆を満足させる快勝にもかかわらず、「この結果は、明日の朝になればどうでもよくなる」と平然と語るが、「でも、選手たちの考え方を誇りに思う」と続けた。

「過去にとらわれず、自分たちがここに来るまでに何をしてきたか、見えないものを得るために何をすべきかに気持ちを切り替えていた。素晴らしいスタートだった」

当たりに当たった3ポイントシュートが目立つものの、ディフェンスとリバウンドでニックスを圧倒したことがセルティックス優位の試合展開を作り出した。6つのスティールからファストブレイクポイント11を生み出し、相手のターンオーバーからの得点はセルティックスの19に対しニックスはわずか2。オフェンスリバウンドでもセルティックスの11に対してニックスは5と圧倒した。

個々の集中力とエネルギーがチームのパフォーマンスとなり、大型補強を行ったがチームとしての練度がまだ上がらないニックスを一蹴した。ニックスはここからチームとしてのケミストリーを高めていかなければならないが、この試合を見る限りはセルティックスとの差は決して小さくない。さらにマズーラは断固たる口調でこう言った。「ただの1試合だ。素晴らしいスタートを切ったが、やるべきことはまだまだ多い」