逆転負けを喫した第1戦からきっちり修正しての勝利
ともにB1残留プレーオフ回避をかけた対戦となった仙台89ERSと富山グラウジーズの第2戦。昨日の第1戦では最大17点のリードを守りきれず、逆転負けを喫した富山だが、この日は同じ轍を踏むことなくゲームをコントロールし、前日のリベンジを果たした。
昨日足を負傷した石川海斗に代わって先発を務めた志村雄彦の3ポイントシュートで試合は幕を開ける。その仙台はゾーンディフェンスの富山に対し、インサイドアウトのパス回しからノーマークを作り得点を重ねリードを奪う。
だが富山はマンツーマンに変更してディフェンスから立て直すと、岡田優が高確率でシュートを沈め11得点の荒稼ぎで23-21と逆転して第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入ると完全に富山のペース。インサイドへのパスコースを塞ぎ起点を作らせないことで、ボールマンを孤立させる。リズムが悪いシュートはことごとくリングに弾かれ、仙台の得点を止めた。
頼みの綱のウェンデル・ホワイトもマークが集中し得点が伸びない。さらにシュートミスは選手の積極性を奪い、ノーマークでボールを受けてもシュートを躊躇して3秒バイオレーションを取られるなど、仙台はオフェンスの停滞から抜け出せなかった。
その間、富山は宇都直輝が作り出すトランジションオフェンスから得点を量産。宇都は水戸健史とのバックドアやペネトレイトでアシストを重ねた。さらにはインサイドでも高さの利を生かし、オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントを重ね、47-29と大量リードを奪い前半を終えた。
宇都は巧みな組み立てに加え『トリプル・ダブル』
後半に入り仙台はオフェンスを立て直すも、軽率なターンオーバーが続いてリズムに乗れない。富山は特別指定選手の小原翼がインサイドで堅実なプレーを見せて、我慢の時間帯を乗り切った。
最終クォーターに入り、志村が激しいディフェンスでプレッシャーをかけ続けるが、宇都は見事なボールキープからピック&ロールやインサイドへのパスを供給しゲームをコントロールする。終盤はサム・ウィラードがインサイドで力を発揮し、このクォーターだけで13得点を挙げる。こうしてリードを保ち続けた富山が88-64で完勝した。
富山は岡田とウィラードがゲームハイの19得点を挙げ、その2人を含む6人が2桁得点を挙げるバランスの良いオフェンスを展開した。宇都はシーズンハイ(タイ)の10アシストをマークし、さらにはポイントガードながら10リバウンドも記録。Bリーグ初のトリプル・ダブルを記録した。
指揮官のボブ・ナッシュは「ハードにそしてスマートに、ともに戦うという意志を持って臨んでくれた」と選手たちを称賛。守備では「イージーなシュートチャンスを与えないことにフォーカスできた」、攻撃では「チームとして安易にジャンプショットで落ち着かずに、よりリングに対してアタックするマインドを持つように」との指示が生きたと振り返る。
敗れた仙台はホワイトがチームハイの15得点を記録。志村がシーズンハイの10得点を挙げ、キャプテンとして最後までディフェンスで奮闘するも勝利をつかむことはできなかった。
富山は今日の勝利で再び仙台とのゲーム差を1に戻した。次節は4ゲーム差の14位、横浜ビー・コルセアーズと直接対決となり大事な戦いが続く。
シーズン終盤を迎えチャンピオンシップの行方とともに、B1残留プレーオフ争いも熱を帯びていく。