3x3男子日本代表

続くポーランド戦はクロージングの悪さが出て逆転負け

3人制バスケ『3×3』、パリオリンピックの最後の出場権3つを争う世界最終予選(OQT)がハンガリーで開幕した。3×3男子日本代表は2週間前に宇都宮で行われたUOQT2で2勝を挙げながらグループリーグ敗退となり、優勝チームに与えられるオリンピック出場権を得られず、最後のチャンスであるOQTに回ることになった。

そして大きな変更をチームに加えた。長らく日本代表を、日本の3×3を支えてきた落合知也をメンバーから外したのだ。トーマス・ケネディ、保岡龍斗、三谷桂司朗の3人に、落合との入れ替わりで小澤崚を加えた4人がQOTのメンバーとなった。

その変更の効果は、初戦のベルギー戦で早速出た。立ち上がりはコートで足を滑らせるシーンが何度かあり、一歩目で出遅れてズレを作られていたがすぐに修正。小澤がいきなりド派手な360°で最初の得点を挙げ、ディープツーも決めて新戦力の存在感を発揮する。これまではトーマス・ケネディのシュート力に頼る部分が大きかったが、全員が攻める編成となったことで相手がケネディを警戒する裏を突いて、他の選手で良いシュートチャンスを作っていく。そしてケネディの最初のアタックに相手は付いてこれず、バスケット・カウントを献上した。

しかし、身体を張った粘り強いディフェンスでチームを支えていた落合が抜けた影響もまた大きく、相手のアタックをフィジカルで止められなくなったことでファウルがかさみ、残り5分44秒でチームファウルが7に到達。フリースローで12-10と追い上げられたが、ここでケネディと保岡の2点シュート連発、小澤が難しいターンアラウンドジャンパーを沈めて突き放した。

残り2分50秒、決まればKO勝ちとなるフリースローをケネディが決められず、最後は保岡の2点シュートが外れたところに三谷が飛び込んでオフェンスリバウンドを奪取。すぐに動き出した保岡に繋いでイージーレイアップを決めて21-19。幸先の良いKOでの勝利となった。

ただ、このクロージングのもたつきは次のポーランド戦でも出て、大きな代償を支払う結果となった。相手のサイズと当たりの強さに面食らってターンオーバー連発、0-3と厳しい立ち上がりとなったポーランド戦だが、すぐにクイックネスを生かしたドライブ&キックに切り替えて保岡の2点シュート、小澤のフリースロー2本で反撃開始。この試合でも残り4分でチームファウルが7つに到達したが、序盤にファウルが先行した後は相手のパワフルな攻めに対して安易なファウルを避けつつ、粘り強いディフェンスを見せた。

三谷のディープツー、さらにオフェンスリバウンドをそのまま押し込む得点で10-9と逆転した後は日本が優勢に。保岡からケネディの連携でイージーシュートを作り出し、ケネディのフリースローも決まって20-16とKO勝ちまであと一歩に迫る。

ところがここで試合を決められない。ポーランドが追い詰められて放つ2点シュートが決まり、日本は落ち着いてあと1本決めればいいところで良い攻めを作り出せず、手詰まりのままターンオーバーに。20-20と追い付かれた後、激しいディフェンスに保岡が攻めきれずにボールを失い、相手が思いきり良く放ったシュートは外れるも、そのこぼれ球を押し込まれて20-21、痛恨の逆転負けとなった。

勝てる試合を落とし、この時点でグループ突破を決められたチャンスを逃したのは痛手だが、UOQT2からのメンバー変更、プレースタイルの変更はここまでポジティブな結果をもたらしている。UOQT2ではディフェンス優先のスタイルで戦った結果、2勝1敗で3チームが並んだ時に総得点の差でグループ敗退となった。今回は敗れた試合でも20得点を取っており、次のモンゴル戦で勝てばグループ突破が見えてくる。

日本はUOQT2の初戦でモンゴルに勝利している。しかしモンゴルはその後に立ち直って2勝を挙げ、日本を押しのける形でグループ突破を果たした。今日の深夜、26時20分からがそのモンゴル戦となる。ポーランドとベルギー相手に連勝して勢いに乗るモンゴルを倒し、決勝トーナメントへと駒を進めたい。