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ジョンソン、ペリンカ、ウォルトンのケミストリーに期待

新進気鋭の指揮官ルーク・ウォルトンに現場を預けたレイカーズが次に取った行動は、フロント改革だった。

その手始めとして、オーナーのジーニー・バスはバスケットボール部門代表にレジェンドのマジック・ジョンソンを起用。現場のトップに立ったジョンソンは、言わずと知れたレイカーズレジェンドで、NBA優勝5回を誇る元トップ選手である。そのジョンソンは、ロブ・ペリンカを新たなGMとして招いた。

ペリンカはコービー・ブライアントのマネージメントを長年に渡り務めている大物代理人。コネクションとしては『最強』のものを持っていると言っていい。ただ、ペリンカに(ジョンソンも)チーム幹部として働いた経験はない。それでも同じように代理人からGMへと転身し、ウォリアーズを常勝チームへと変貌させたボブ・マイヤーズの例もある。

何より、NBA優勝16回を誇るとは言っても今シーズンを含め4年連続プレーオフに進出できていないレイカーズに必要なのは『思い切った改革』だ。

ジョンソン、ペリンカ、ウォルトンの組織に生まれ変わったことで、レイカーズの再建はいよいよ今年のオフから本格化する。ジョンソンは『Laker Nation』に対し、現在の職務を選んだ理由として「レイカーズが再び偉大なチームになることが、自分にとって大きな意味を持つ」と語った。さらには「もし自分の仕事ができない環境になるのであれば、すぐにでもポジションを明け渡す」と発言するなど、レイカーズと向き合う上での断固たる決意も伝わってくる。

ペリンカのGM就任により、将来的にコービーに何らかの協力を求めることも現実的になった。事実、ペリンカの就任会見にはコービーが立ち会っており、協力を惜しまない姿勢を見せている。西カンファレンス下位に低迷し、もがいているチームを見るのは、勝利を知るコービーにとっても苦痛でしかないはずだ。

GMとしては未知数であっても、代理人として選手のポテンシャルを見る目に長けたペリンカが、ドラフトとトレードで新たなピースを加える。そこにウォルトンの哲学と情熱を注ぎ、ジョンソンはスーパースターとしての経験を選手たちに伝える。

この3人のケミストリーからどんなチームが生まれるのか。幸いにして、ディアンジェロ・ラッセル、ジュリアス・ランドル、ジョーダン・クラークソン、ブランドン・イングラムとレイカーズにはすでに『黄金の若手』が揃っている。

ようやく新たな旅立ちの準備が整ったレイカーズ。これからオフにかけての動きから目が離せない。