ケビン・ポーターJr.と先発ポイントガードの座を争う
コール・アンソニーはマジックでの5シーズン目を終えた今オフにキャリア初の移籍をした。デズモンド・ベインのトレードの一部としてグリズリーズへ。しかし、グリズリーズは彼を戦力として必要としなかった。3年3900万ドル(約59億円)の契約は1年目が終わったばかりだが、3年目はチームオプション。グリズリーズはこの契約をバイアウトして彼をフリーエージェントにした。
昨シーズンのグリズリーズは予期せぬデリック・ローズの引退宣言をきっかけにポイントガードの駒不足に陥ったが、スコッティ・ピッペンJr.のブレイクに加えてタイ・ジェロームを獲得。エースのジャ・モラントも含めて層が厚くなり、アンソニーを必要としなかった。
彼らが必要としたのはサラリーキャップを空けることだ。ジャレン・ジャクソンJr.と5年2億4000万ドル(約360億円)で契約延長する予定だが、今回のバイアウトでそのキャップスペースが確保でき、ジェロームとの契約、サンディ・アルダマとの契約延長も可能となる。
コール・アンソニーは2020年の1巡目15位指名でマジックに加わり、最初の2年は先発ポイントガードとして、ジャマール・モズリー体制ではセカンドユニットの得点源として活躍した。キャリア初期は守備意識の高いタイプではなかったが、守備とリバウンドに全力を注ぐモズリーの下でハードワークができる選手へと成長している。
アンソニーは、ウェーバー期間終了後にバックスと1年契約を結ぶ見通しだと『ESPN』が報じた。バックスはデイミアン・リラードとの1億1300万ドル(約170億円)という大きな契約をバイアウトすることでマイルズ・ターナーを獲得したが、ポイントガードはケビン・ポーターJr.とライアン・ロリンズだけで、実績のある選手の補強が必要だった。
ケビン・ポーターJr.は昨シーズン途中にクリッパーズからバックスに加わり、リラードの控えとして信頼をつかんだ。リラードがアキレス腱を断裂した試合では、ポイントガードの役割を引き継いで23得点6アシストを記録し、その穴を埋めた。ポーターJr.とアンソニーはこれから先発ポイントガードの座を争うことになる。他のポジションは戦力が充実しているだけに、2人の活発な競争がポイントガードのレベルを引き上げれば、バックスはさらに上を目指せるチームになるはずだ。