ハワードはゴベアの守備力について「チームディフェンスによるもの」
NBAの過去15年間で最も優れたディフェンシブセンターとして知られるのが、ドワイト・ハワードとルディ・ゴベアの2人だ。この2人は2008年以降、合わせて7回のDPOY(最優秀守備選手賞)を受賞している。ゴベアは昨シーズンに自身4度目のDPOYを受賞し、ハワードの3回を上回った。
ゴベアはリムプロテクターとして疑いようのない実績を持っているが、ハワードはゴベアが受賞したDPOYのうち、特に昨シーズン以前のものはふさわしくないと考えているようだ。元オールスタープレーヤーのギルバート・アリーナスが主催するポッドキャスト『Gil’s Areana』に出演したハワードは「彼がDPOYを受賞したのは納得できない。彼は素晴らしいチームディフェンダーだと思うが、彼がDPOYを受賞するほどの活躍をしたとは思えない。エリートディフェンダーとしての実力は感じられない」と語った。
ゴベアは昨シーズンに平均14.0得点、12.9リバウンド、2.1ブロックを記録したが、DPOY次点のビクター・ウェンバニャマは平均3.6ブロック、1.2スティールと数字の面では劣っている。しかし、それでもゴベアがDPOYを受賞したのは、彼の存在感が相手をリングから遠ざけ、成功率の低いシュートを打たせることに貢献していたから。そして、ティンバーウルブズの勝利に対する彼の影響が明らかだからと見られている。
ゴベアを批判したハワードだが、決してゴベアが優れたディフェンダーではないと言っているわけではない。実際にゴベアはジャズとウルブズの両チームで複数回に渡り、リーグ最高のディフェンシブレーティングを記録しており、その影響力を認めている。ただ、昨シーズン以前の受賞については、ジャズの優れたディフェンスシステムのおかげで受賞に至ったと持論を展開した。
「彼は7フィート2インチのサイズがある(約218cm)。身体が大きいというだけで、味方のミスをカバーしたり、ペイントエリアで存在感を示すことができるんだ。だから、特に何もしなくてもいい。今年はピック&ロールに対してしっかりと動き、足を使ってディフェンスをしていたし、積極的にプレーしていた。でも、それ以前のシーズンは彼のチームディフェンスが評価されたからこそ、DPOYを受賞できたんじゃないかな」
ゴベアの弱点はペリメーターの守備で、スイッチディフェンスが多い現在のNBAにおいて常にリスクとなる。実際に、昨シーズンの西カンファレンスファイナルで、マーベリックスは何度もゴベアとの1対1の状況を作りだした。それでも、ゴベアがコートにいるかいないかで、ウルブズの守備力は大きく変動する。
ハワードの意見に賛同する人もいるだろう。ただ、現在のNBAでゴベアほどの影響力を持つペイントディフェンダーが多くないのも事実。来シーズンのゴベアにはハワードの指摘を覆すようなパフォーマンスを見せてほしい。