カリーの3ポイントシュート、デイビスのブロックが炸裂
アメリカ代表はパリオリンピックに向けた強化試合の3試合目をセルビアと戦い、105-79と圧勝した。
アメリカの先発はステフィン・カリーとドリュー・ホリデー、ジェイソン・テイタムとレブロン・ジェームズ、ジョエル・エンビードの5人。これまでの2試合で今一つ調子が上がらなくとも「アジャスト中だよ」と語っていたカリーが、最初の攻めでレブロンとエンビードの豪華なスクリーンを受けてオープンになり、ホリデーがそこにすかさず送ったパスを受けて3ポイントシュートを決める。これでリズムをつかんだカリーは、目の前にシュートチェックが来ていても決めきる理不尽ぶりを発揮して前半だけで18得点、試合を通じて3ポイントシュート6本成功を含む24得点と、その才能を示した。
3ポイントシュートで見せ場を作ったもう一人の選手がアデバヨで、エンビードと並ぶチーム最多の8リバウンドとインサイドで奮闘しつつ、オフェンスでは3ポイントラインに出て味方のためにスペースを作り出し、なおかつパスが来れば迷わず放つ3ポイントシュートを5本中3本決める効率の良いプレーを見せた。
カリーやアデバヨの3ポイントシュートが決まればインサイドのスペースが広がり、そこをレブロン、テイタム、エドワーズが突く相乗効果も生まれる。アメリカ代表はこれで強化試合3連勝だが、過去2試合と比較すると連携であったり、こういった相乗効果が目に見えて増しており、チーム作りは順調と言っていいだろう。
前のオーストラリア戦から絶好調をキープしているのがアンソニー・デイビスで、わずか16分の出場で7得点6リバウンド6ブロックを記録した。相手のドライブやシュートフェイクでの揺さぶりに簡単には動かず、その動きを見極めてのブロックショットは堅実かつ強力。レイカーズではニコラ・ヨキッチとの対戦を苦手としているが、この試合ではヨキッチのシュートを2度も叩き落した。一方のヨキッチは28分の出場で16得点11リバウンドのダブル・ダブルとスタッツは残したものの、周囲と噛み合わない場面も多く不完全燃焼に終わっている。
先発センターのエンビードは3試合目で調子を上げてきた。ヨキッチとのマッチアップに苦戦を強いられながらも、16分と短いプレータイムで8得点8リバウンド3アシストを記録。先発のエンビードが手堅いプレーで試合のトーンを整え、ベンチから出るアデバヨとデイビスのインサイドコンビが違いを作り出す。このビッグマン・ローテーションがオリンピックを戦うアメリカ代表の大きな武器になりそうだ。
カワイ・レナードに代わって追加招集されたデリック・ホワイトも9分間と短い時間だがコートに立った。あとはケビン・デュラントで、ふくらはぎを痛めている彼はここまで練習にもほとんど参加できていないが、指揮官スティーブ・カーは復帰は近いとコメントしている。
20分の出場で11得点を記録したレブロンは「まだまだ改善の余地はたくさんある。こういった機会を逃さずにチームを改善していく」と語った。