ダニエル・ギャフォード&PJ・ワシントン

「自分のやるべきことに100%以上の力を注ぎたい」

NBAファイナル最初の2試合、マーベリックスはいずれもセルティックスの攻守両面の安定感に屈することとなった。大きくやられているのはインサイドで、先発センターのダニエル・ギャフォードはセルティックスで交互に起用されるアル・ホーフォードとクリスタプス・ポルジンギスを相手に苦戦を強いられている。

ギャフォードとデレック・ライブリー二世というマブスのセンター2枚は、高さと強さよりもアスレチック能力で勝負するタイプだが、多彩なポルジンギスに老獪なホーフォードだけでなく、素早いローテーションの中でジェイレン・ブラウンやジェイソン・テイタムとマッチアップする機会でも劣勢に立たされている。レギュラーシーズンからカンファレンスファイナルを制するまでに猛威を振るい続けた彼らがフィニッシャーとなるアリウープも、ほぼすべて封じられている。

ホームでの第3戦を前に取材に応じたギャフォードは、それでも明るい表情でこう話した。「ホームアリーナで戦えるだけで気分は全然違うよ。戦う準備は万端だ」

セルティックスが攻守で上回っているのを認めた上で「辛抱強く対処する。彼らのペースに合わせてスピードを上げる必要はない。落ち着いて彼らのディフェンスの綻びを見つけ出す。些細なことも見逃さないようにするんだ」と語る。

ギャフォードはシーズン途中にウィザーズから移籍して来た。勝ち目のない試合を繰り返す再建チームから、NBAのトップスターであるルカ・ドンチッチを擁するマブスに来て、彼のダイナミックなプレーはより効果的に引き出され、チームの勝利に直結するようになった。そしてチームはNBAファイナルへと駒を進めている。0勝2敗と状況が悪くても、ギャフォードは今という現実を楽しんでいる。

「この状況にいるのは幸せなことだ。キャリアの新しいステップに来たと感じる」とギャフォードは言う。「だからファイナルの雰囲気を楽しんでいるよ。簡単な戦いにならないのは分かっていたことで、それをどう乗り越えるかにチーム全員で挑むのにワクワクしている。そしてホームゲームを楽しみにしているんだ。チケットは完売したと聞いているから、最高の盛り上がりになる。きっとテキサス州の反対側まで歓声が届くよ」

同じ気持ちでホームでの第3戦に臨もうとしているのがPJ・ワシントンだ。彼もまたシーズン途中に再建中のホーネッツから加入し、優勝を争ってプレーできる今という現実を楽しんでいる。「僕は以前からここで戦うだけの力があると感じていた。それが実際、ここで披露できることに興奮しているし、やるからには優勝したいと思っている。ずっとこの時を夢見て準備してきたんだ。精神的にはすごく良い状態にある」と彼は言う。

再建中のホーネッツからマブスへ。「僕にとってはジェットコースターのような日々だ」とワシントンは言う。ダラス育ちの彼にとって、ここでNBAファイナルを戦うことには特別な意味がある。「故郷で優勝を目指してプレーできるんだから興奮するよ。自分がどれだけ恵まれているかと実感する。コートに立って、満員のスタンドを見るのが楽しみだ」

「明日になれば感傷に浸っている余裕はない。とにかく積極的に、オープンショットになれば迷わず打ち切りたい。自分にできるベストを尽くすよ。チームのみんなに必要とされているから、自分の役割を果たしたい」

マブスはドンチッチのチームで、彼らは脇役だが、その働きがチームにとって大きな力になることは分かっている。ギャフォードは言う。「結局のところ、必要なのはハードワークだ。メンタルもフィジカルも、自分のやるべきことに100%以上の力を注ぎたい。そのすべてが試合でのパフォーマンスに繋がる。すべてをやりきって、幸せな気分で試合を終えるのが目標だ」