ダリアス・ガーランド

ドノバン・ミッチェル欠場で奮起「積極性がカギ」

脇腹を痛めて欠場が続いている先発センターのジャレット・アレンはいまだ復帰できず。逆にエースのドノバン・ミッチェルがふくらはぎのケガで欠場することに。キャバリアーズにとってこのマイナスは非常に痛かった。レブロン・ジェームズが観戦に訪れたこの試合、アリーナのビジョンにその姿が映し出されるとキャブズファンはスタンディングオベーションで大盛り上がりとなったが、キャブズはほとんどの時間帯でリードを許し、102-109で敗れた。

セルティックスはジェイソン・テイタムが33得点11リバウンド5アシスト、ジェイレン・ブラウンが27得点8リバウンドと両エースが揃って活躍。主力2人、しかもこのシリーズで平均31.7得点を挙げているエースを欠くキャブズを寄せ付けなかった。

キャブズではダリアス・ガーランドがミッチェルの穴を埋めるべく奮闘した。経験豊富なミッチェルがプレーオフのプレーの強度に合わせて攻守のエネルギーを増し、積極性もいつも以上に出しているのとは対照的に、ここまでのガーランドには消極的なプレーが目立っていた。ミッチェルが当たっていれば、その引き立て役に回るのを厭わない自己犠牲の精神がガーランドにはあるが、ミッチェルにボールを預けてコーナーで待機しているようでは、その得点力もプレーメークの力も発揮できない。

しかし、ミッチェル欠場となったことでガーランド本来のアグレッシブなプレーが戻ってきた。このシリーズで15本、8本、15本だったフィールドゴールアテンプトが27と倍増し、得点も30と倍増。自らがオフェンスを引っ張ることでチームを勝たせるという強い意欲が見られた。第4クォーター残り7分、ガーランドの3ポイントシュートをきっかけにキャブズは12-2のランで15点差を5点差まで縮める猛追を見せた。しかし反撃もそこまで。セルティックスを崩しきるには至らなかった。

試合後の会見で、ガーランドは負けたことの悔しさと、自分たちに不利だったジャッジへの憤りを抱えていた。フリースローの数はセルティックスの24本に対してキャブズはわずか7。ガーランドも積極的にドライブを仕掛けたが、彼が得たフリースローは2本だけだった。ミッチェルとアレンがいない影響を問われたガーランドは「僕らはたくさんのペイントアタックをしているのに、このフリースローの違いは何なんだろう」と答えた。「僕は何度も接触を受け、チームメートは何度もフロアに倒された。でもコールはなかった」

それでも、ドライブで仕掛けてキックアウトからワイドオープンのチャンスを作るプレーが、彼自身もチームも遂行できたことには満足感がある。「チームとして48本の3ポイントシュートを打てたのは良いことだった。僕らは3ポイントシュートを打つチームだからね。でも、良いプレーができてもチャンスを決め切らなきゃダメだ。ワイドオープンを何度も外している。それでも、その中で自信を持って打ち続けることはできた」

「ミッチェルが次の試合で戻って来ても、今日と同じような積極性を出し、より多くのチャンスを作りたい。思い切り良くリムを攻めた時こそ、キックアウトで3ポイントシュートのチャンスができる。だから積極性がカギになるよね。やらなきゃいけないことは分かっている。自分たちらしくあることが何なのか、そこはブレていないよ。大事なのは自分たちらしくあり続けること。そこにフォーカスして戦っていきたい」

キャブズはこれで1勝3敗と『崖っぷち』に追い込まれた。敵地での第5戦、ミッチェルが復帰できたとしても、それでガーランドが積極性を失うようでは勝機は見えてこない。ここから踏ん張ることができるか。ガーランドにとっても真価が問われる正念場だ。