ペイサーズ

「全員が団結してそれぞれの仕事を果たした」

すべてが大接戦であり大激闘となっているニックスとペイサーズのカンファレンスセミファイナル。第4戦は意外にもワンサイドゲームとなり、ペイサーズが第1クォーターで20点差を付け、そのまま危なげない試合運びで121-89の大勝を収めた。

ニックスはエースのジェイレン・ブランソンがわずか18得点。彼が第3クォーター残り2分半で下がり、その後も主力が次々とベンチに戻る大敗となった。これは指揮官トム・シボドーの主力選手を使い続ける苛烈な起用法による弊害とも言えるし、魅惑の攻撃バスケを突き詰めてきたペイサーズが、プレーオフのここに来てディフェンス面でのレベルを上げた結果とも言える。

第1クォーター、ブランソンは無得点。ニックス全体でフィールドゴール23本中6本成功のみ、3ポイントシュートはドンテ・ディビンチェンゾの決めた1本だけだった。ブランソンにはアーロン・ネスミスがマークに付き、それをベンチから出たTJ・マッコネルが引き継ぐ。マイルズ・ターナーは「ブランソンほどの選手になると1人で止めるのは無理だ。僕らはゲームプランを遂行し、全員が団結してそれぞれの仕事を果たした」と語る。

ディフェンスが機能すれば、リーグ屈指の威力を誇るペイサーズのトランジションが爆発するのは当然だった。第1クォーターのペイサーズはフィールドゴール成功率60.9%で34得点を挙げ、第2クォーターにはさらに勢いを上げた。マッコネルにオビ・トッピン、アイザイア・ジャクソンが効率良く得点を奪い、リードを広げていく。マッコネルは「先発5人のおかげだ。彼らが最高の流れを作ってくれたおかげで、僕たちはそれに乗るだけだった」と謙遜した。

それでもセカンドユニットのリーダーであるマッコネルについては、指揮官リック・カーライルが「どんな時でも戦う準備ができていて、コートに送り出せばハードにプレーをし、自分たちのバスケをやってくれる」と信頼を語り、ターナーは「僕らのリーダーの一人で、チームで一番責任を背負ってくれる。今日はみんなを引っ張ってくれた」と称えている。

余裕の展開に助けられたのはタイリース・ハリバートンだ。足首の捻挫、腰の打撲を抱えている彼はこの試合に強行出場したが、ベンチで休む時間がたっぷりあり、第4クォーターはプレーする必要がなかった。「助かるよ」とハリバートンは言う。ウチには最高のメディカルスタッフがいて、僕のコンディションを整えてくれた。でもこれで第5戦に向けて、また良い調整ができる」

こうしてシリーズは2勝2敗で第5戦を迎える。ここまでの4試合はすべてホームチームの勝利。ペイサーズがこのシリーズを制するには、次か『GAME7』でマディソン・スクエア・ガーデンでのゲームに勝利する必要がある。マッコネルは言う。「プレーオフの試合をホームコートで戦うのは最高だし、僕たちはみんなそれを楽しんでいる。でも、ここからは意識を切り替えよう。次はマディソン・スクエア・ガーデンの、とんでもない熱気を持った観客の前でプレーするんだ。精神面での準備を万全に。何があっても動じない気持ちを作って試合を迎えたい」